一条工務店の差圧感応式とレンジフードの位置|汚い空気の通り道を最短にする家の空気の流れ
一条工務店のような高気密高断熱の家では、図面に出てくる「差圧感応式(差圧給気口)」の位置が、家の中の空気の流れを大きく左右します。この口から入る外気は**ロスガードを通らない「汚い空気」**なので、レンジフードとの位置関係を間違えると、室内に排気ガスやPM2.5・花粉が広がったり、油っぽい空気が無限ループしたりします。
結論を先に言うと、差圧感応式からレンジフードまでの「汚い空気の通り道」を家の中で最短にしつつ、排出口とは最低1マス離すのがポイントです。私(ろれさん)が一条工務店で家を建てたときに設計士と相談して決めた実例を、図面付きで全部公開します。
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この記事でわかる4つのポイント
先に全体像をまとめます。
- 差圧から入るのは浄化されていない汚い空気(ロスガードを通らない)
- 汚い空気の通り道は家の中で最短にする
- ろれさん家は差圧を床から2014mmの高所に設置した理由
- 近すぎてもダメ。汚い空気が無限ループする距離問題
この4つを押さえれば、自分の図面の差圧感応式の位置を見直せるようになります。
そもそも差圧感応式とは?高気密住宅で必要になる仕組み
差圧感応式は、室内が負圧になったときに外気を取り込むための給気口です。仕組みはシンプルで、流れはこうなっています。
| ステップ | 何が起きるか |
|---|---|
| ① 換気扇を回す | 室内の空気を外へ排出 |
| ② 室内の空気が減る | 出ていった分が不足 |
| ③ 室内が負圧になる | 外気を引き込もうとする |
| ④ 差圧感応式から給気 | 不足分を外気で補う |
レンジフードなどの換気扇を回すと、室内の空気が外に出ていきます。すると室内の空気が減って負圧になり、外から空気を取り込もうとします。その外気の取り込み口が差圧感応式です。
古い家には不要、一条のような高気密住宅では必須
昔の家は気密性が低いので、窓の隙間などから勝手に外気が入ってきます。だから差圧感応式はわざわざ付けなくても成り立っていました。
一方、一条工務店のような高気密高断熱の家は隙間がほとんどないので、給気口がないと負圧を解消できません。高気密な家ほどこの口が大事になるわけです。図面には必ず載っているのですが、意識している人は少ないので、ぜひ一度確認してみてください。
差圧から入るのは「汚い空気」だから通り道を最短にする
ここがこの記事の核心です。一条の給気は普通、ロスガード(全熱交換換気)できれいに浄化されてから室内に入ります。でも差圧感応式は、そのロスガードを通りません。
| 給気ルート | 入ってくる空気 |
|---|---|
| ロスガード経由(通常) | きれいな空気(全熱交換・花粉やホコリを除去) |
| 差圧感応式経由 | 汚い空気がそのまま(排気ガス・PM2.5・花粉) |
つまり差圧感応式からは、排気ガスもPM2.5も花粉も、浄化されずにそのまま入ってくるということです。
汚い空気の通り道を家の中で最短にする
だからこそ、差圧感応式からレンジフードまでの距離を短くして、汚い空気の通り道を家の中で最短にするのが大事です。上はろれさん家の図面です。オレンジの口が差圧感応式で、ここから汚い外気が入り、緑の矢印のようにレンジフードから外に抜けていきます。
入ってすぐ排気されるので通り道がとても短く、汚れが室内に広がりません。ろれさん家では、差圧感応式とレンジフードの距離をかなり短く設定しました。
ろれさん家は差圧感応式を高さ2014mmに設置した理由
ろれさん家は、差圧感応式を自在棚の上、床から2014mmという高い位置に付けました(レンジフードはH=2280mm)。これは少し変わった判断です。
本来は手が届く低い位置のほうがラク
差圧感応式のフィルターは定期的に交換が必要です。だから本来は、手が届きやすい低い位置に付けたほうが作業はラクになります。
それでも高くしたのは「家電を置くスペース」を優先したから
ろれさん家であえて高くしたのは、その下にコーヒーマシンや炊飯器などの家電を置く予定があったからです。家電スペースを優先して、給気口を上に逃がしました。
フィルター交換は大変になりますが、毎日の生活のしやすさを取った形です。設備の位置はこうしたトレードオフの連続なので、自分の暮らし方に合わせて判断するのがいいと思います。
理想はレンジフードの吸入口と同じ高さ
スペースに余裕があるなら、差圧感応式は低くして目立たない位置に隠すのがおすすめです。さらに理想を言えば、レンジフードの吸入口と同じ高さに付けると、空気が上下に動かず流れが一番短くなります。横にスッと抜けるのが理想形です。
近すぎてもダメ|汚い空気が無限ループする距離問題
「通り道は短いほどいいなら、ピッタリくっつければいいのでは?」と思いますよね。でも近づけすぎるのも実はダメで、設計士からも最低1マスは離してほしいと言われました。ろれさん家は離せる最大が1マスだったので、その最小距離で指定しています。
離さないと「汚い空気の無限ループ」が起きる
理由は、レンジフードが揚げ物などの油っぽい空気を外に出すからです。差圧感応式との距離が近いと、せっかく排出した油っぽい空気を差圧から吸い戻してしまいます。
すると汚い空気がぐるぐる無限ループして、差圧感応式の口の周りが油でギトギトになります。掃除も大変ですし、衛生的にもよくありません。
「最短に」と「1マス離す」は矛盾しない
ポイントは、通り道は短くしつつ、排出口とは1マス離すこと。一見矛盾しているようですが、汚い空気が部屋に広がるのを防ぎながら、排気を吸い戻さないための両立した設計です。
まとめ|差圧感応式とレンジフードの位置の考え方
最後に要点を整理します。
- 差圧から入るのは浄化されていない汚い空気(排気ガス・PM2.5・花粉)
- 通り道は短く。でもレンジフードの排出口とは最低1マス離す(無限ループ回避)
- 高さはフィルター交換のしやすさと家電配置のトレードオフで決める
差圧感応式は「ただの給気口」ではなく、家の空気の質と掃除のしやすさを左右する重要なパーツです。一度、自分の図面の差圧感応式の位置を見てみてください。
差圧感応式が「汚い空気の入口」なら、各部屋に新鮮な空気を届けるSA・RA(給気・排気)の位置と家全体の空気の流れも同じくらい重要です。そして差圧感応式が通らないロスガード本体については、ロスガード90の配置で気をつけたいポイントで詳しく解説しています。あわせて読んでみてください。
よくある質問
- 差圧感応式(差圧給気口)とは何ですか?
- 室内が負圧になったときに外気を取り込むための給気口です。レンジフードなどの換気扇を回すと室内の空気が外に出て負圧になり、その不足分を補うために外気を取り込みます。昔の家は隙間から自然に外気が入りましたが、隙間の少ない一条のような高気密住宅では必須の設備です。
- 差圧感応式から入る空気はきれいなの?
- 汚れたままの空気が入ってきます。一条の通常の給気はロスガード(全熱交換換気)で花粉やホコリが除去されてから入りますが、差圧感応式はロスガードを通りません。そのため排気ガス・PM2.5・花粉が浄化されずにそのまま入ってきます。
- 差圧感応式とレンジフードの位置はどう決めればいい?
- 汚い空気の通り道を家の中で最短にしつつ、レンジフードの排出口とは最低1マス離すのがポイントです。距離が近すぎると、レンジフードが排出した油っぽい空気を差圧感応式が吸い戻して無限ループし、口の周りが油でギトギトになります。最短にすることと1マス離すことは矛盾しません。