ろれさんの一条攻略日記

一条工務店グランスマートの準耐火仕様|断熱材がEPSに変わる?Ua値・電気代への影響を調査

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「グランスマートを準耐火仕様にすると、断熱材がEPSに変わると担当者から説明された」――視聴者の方からこんなリクエストをいただいて調査しました。

都内のように土地が大きく取れないエリアでは、建ぺい率の緩和を狙って準耐火仕様に変更する方が一定数いらっしゃいます。ただ、グランスマートの売りである外内ダブル断熱が変わってしまうとなると、断熱性能や電気代への影響が気になりますよね。

最初にお伝えしておくと、ろれさん自身はこの準耐火仕様を採用していません。そのため実測値ではなく、JIS規格値・HEAT20基準・一条工務店の公表値をもとにした調査ベースの内容になります。一緒に数字を追いながら見ていきましょう。

この記事の内容は動画でも解説しています(クリックで再生)

グランスマートを準耐火仕様にすると壁単体の断熱性能が約2.4倍変わるというフック画像

まず結論

調査してわかったポイントを先にまとめます。

  • 準耐火仕様にすると、外壁の断熱材がウレタンからEPSに置き換わる可能性がある
  • 壁単体の断熱抵抗(R値)で見ると約2.4倍の差。ただし窓・屋根・床も含む家全体のUa値では影響は限定的(推定で0.25→0.30〜0.35程度)
  • 都内で選ばれる一番の理由は、建ぺい率が10%緩和されて家を広く建てられること
  • 実際の断熱材構成や数値は一条が公開していないので、最終判断は必ず担当者の試算で確認する

EPSとウレタンはどちらが優れているという話ではなく、目的が違う素材です。土地の条件と断熱性能のどちらを優先するか、というバランスの選択だと考えるのが正解です。


なぜ都内で準耐火仕様が選ばれるのか

そもそも、なぜわざわざ準耐火仕様にするのでしょうか。理由は建ぺい率が10%緩和されるからです(建築基準法53条3項)。

東京23区の都心部は、ほぼ防火地域か準防火地域に指定されています。準防火地域で準耐火建築物にすると、この緩和を受けられます。

建ぺい率10%緩和の効果。100㎡の土地で60㎡から70㎡まで建てられるようになる図

たとえば100㎡の土地で建ぺい率が60%なら、建築面積は60㎡までです。これが70%に緩和されると70㎡まで建てられます。

差は10㎡、約3坪。一見小さく見えますが、都内の狭小地ではこの3坪がかなり大きい違いになります。だからこそ「断熱を多少犠牲にしても広さを取りたい」という人が準耐火仕様を選ぶわけです。


準耐火仕様で変わる3つのこと

具体的に何が変わるのか、3つのポイントで整理します。

準耐火仕様で変わる3つのこと。外壁断熱材のEPS化・玄関ドアダンジュの採用制限・防火被覆の追加
  1. 外壁の断熱材がEPSに置き換わる。標準の外内ダブル断熱が単層化する可能性がある
  2. 断熱玄関ドア「ダンジュ」が採用制限を受ける
  3. 軒裏や開口部に防火被覆が追加される

2つ目のダンジュについて補足すると、延焼ラインの内側にはダンジュを設置できません。ただし隣地境界から3メートル以上離せば採用できるケースが多いので、玄関位置を建物の中央寄りにする工夫で対応できることがあります。

ここで紹介した構成はあくまで一例で、実際の仕様は土地や間取りによって変わります。担当者へのヒアリング情報を含む推定なので、自分のケースでどうなるかは必ず確認してください。


EPSとウレタンの違いを詳しく

そもそもEPSとウレタンは何が違うのでしょうか。まずは一条工務店の中での使い分けから見ていきます。

EPSとウレタンの違い。JIS規格の熱伝導率でウレタン0.024、EPS1号0.036以下を比較した表
断熱材採用シリーズ工法一条での位置づけ
高性能ウレタンフォームi-smart・グランスマート2×6i-smart系のグレード高めの素材
EPS(ビーズ法ポリスチレン)グランセゾン・ハグミー軸組工法ベースセゾン系で使われる素材

JIS規格の熱伝導率で比べると、ウレタンが0.024、EPS1号が0.036以下です。動画の冒頭で触れた「グラスウールの2倍・1.2倍」は、グラスウールを基準にした比較値で、ウレタンが約2倍、EPSが約1.2倍の性能という意味です。

EPSにもしっかり長所がある

数字だけ見るとウレタンが優勢ですが、EPSにも明確なメリットがあります。

  • 耐火性が高く燃えにくい
  • 湿気に強く長寿命
  • 燃えてもダイオキシンを出さない安全性の高さ

EPSが劣っているわけではなく、目的が違う素材だと理解するのが正しい捉え方です。準耐火仕様では、この耐火性の高いEPSに置き換わるイメージになります。

ちなみに豆知識ですが、ウレタンは断熱材であると同時に吸音材としても優秀な素材です。一条で防音室を作るときによく使われますし、ろれさんもドラムの周りをウレタンの吸音材で囲んでいます。


壁単体のR値で見ると約2.4倍差

ここからは電気代の前に、まず壁の性能差を数字で確認します。使うのは断熱抵抗を表すR値で、「厚み ÷ 熱伝導率」で求められます。

壁のR値比較。グランスマート190mmウレタンで約7.92、EPS仕様120mm単層で約3.33、約2.4倍の差
仕様外壁構成R値(壁単体)
グランスマート標準190mmウレタン約7.92(業界トップクラス)
EPS仕様(想定)120mm単層約3.33

壁単体で見ると、断熱性能は約2.4倍の違いになります。これは思ったより大きい差です。ただ、これはあくまで「壁だけ」を切り出したときの数字だという点が大事になってきます。


Ua値・電気代への影響

壁単体では2.4倍差でしたが、家全体のUa値で見ると、ここまでの差は出ません。

Ua値への影響。グランスマート0.25から準耐火仕様で0.30〜0.35程度への悪化推定とHEAT20グレード

Ua値は窓・屋根・床も含めた家全体の断熱指標です。外壁だけが変わっても、家全体への影響は限定的になります。推定にはなりますが、Ua値は0.25から0.30〜0.35くらいへの悪化にとどまる見込みです。断熱性能を落とさないための設計の考え方は性能を落とさない設計のポイントで解説しています。

補足すると、HEAT20というのは国の基準より厳しい民間の住宅性能基準で、G1〜G3のグレードがあります。Ua値は数字が小さいほど高断熱で、電気代も抑えられます。

HEAT20基準で見ると、暖冷房負荷は約2〜3割増。暖冷房は家全体の電気代の3〜4割を占めるので、理論計算では年間電気代で約1割増という見込みになります。全体への影響は思ったより小さい、というのが理論上の結論です。

一条の公式試算だと話が変わる

ところが、一条工務店の公式シミュレーション値を見ると印象が変わります。

一条公式試算の年間冷暖房費。ウレタン仕様約3.9万円、EPS仕様グランセゾン約10.8万円で約2.7倍差
仕様年間冷暖房費(公式試算)
ウレタン仕様(i-smart/グランスマート)約3.9万円
EPS仕様(グランセゾン)約10.8万円

差は年間約6.9万円、約2.7倍の開きがあります。ただし注意したいのは、これは構造ごと違うモデル同士の比較で、純粋に「EPS化したぶんの差」ではないという点です。外内ダブルから単層化、工法、開口部などの総合的な差が含まれています。

つまり、理論計算なら年間約1割増、公式値の単純比較なら約2.7倍。実際にどうなるかは担当者の試算次第です。ろれさんとしても、公式の数値そのものより、自分の間取りで出してもらった担当者の試算が一番正確だと考えています。


メリット・デメリットの整理

ここまでの内容を、判断材料として整理します。

メリット

  • 建ぺい率が10%緩和され、家を広く建てられる
  • 火災時の延焼リスクが下がる
  • ただし一条工務店は標準で省令準耐火(T構造扱い)のため、火災保険料の追加メリットは限定的

デメリット

  • Ua値が悪化して電気代が増える可能性がある
  • 外内ダブル断熱という強みが弱まることがある
  • 公式の数値が公開されておらず、判断材料がそろいにくい

繰り返しになりますが、どちらが正解という話ではありません。土地の条件と断熱性能のどちらを優先するか、状況に応じて選ぶテーマです。


担当者に確認すべき8つのポイント

最後に、準耐火仕様を検討している方に向けて、担当者に確認しておきたいポイントをまとめます。

担当者に確認すべき8つのポイント。防火地域区分・断熱材構成・Ua値差分・シミュレーション・追加費用など
  1. 土地が防火地域なのか準防火地域なのか
  2. 準耐火仕様時の断熱材構成を全部聞く
  3. 標準仕様と準耐火仕様のUa値の差分
  4. 見積書の裏にあるシミュレーションを活用する(一条は太陽光発電量と実質月額を試算してくれるので、準耐火仕様でも分けて出せるか聞く)
  5. 建ぺい率緩和でどれだけ広く建てられるか
  6. 断熱王やダンジュが採用できるか
  7. 準耐火仕様への変更による追加費用
  8. 火災保険料がどれくらい変わるか

この8つを確認すれば、自分のケースで準耐火仕様にすべきかどうか、判断材料がそろいます。


まとめ

グランスマートの準耐火仕様について、調査した内容をまとめます。

  • 準耐火仕様にすると外壁断熱材がウレタンからEPSに置き換わる可能性がある
  • 壁単体のR値では約2.4倍差だが、家全体のUa値では影響は限定的(推定0.25→0.30〜0.35程度)
  • 都内では建ぺい率10%緩和という現実的なメリットがある
  • EPSとウレタンは優劣ではなく目的が違う素材。土地と性能のバランスで選ぶ
  • 実数値は非公開なので、最終判断は担当者の試算で確認する

土地の制約と広さのバランスでグランスマートをどう選ぶかは坪数を減らしてグランスマートでも触れています。あわせてどうぞ。

本記事の数値は、JIS規格値・HEAT20基準・一条工務店の公表値をもとにした参考値・推定値です。準耐火仕様の実際の断熱材構成やUa値、追加費用は土地・間取りによって変わるため、必ず担当者に確認してください。

参考データの出典は以下の通りです。

よくある質問

グランスマートを準耐火仕様にすると断熱材は変わる?
外壁の断熱材がウレタンからEPSに置き換わる可能性があります。標準の外内ダブル断熱が単層化することがあり、壁単体の断熱抵抗(R値)で見ると約2.4倍の差になります。ただし窓・屋根・床も含む家全体のUa値で見ると影響は限定的で、推定では0.25から0.30〜0.35程度の悪化にとどまる見込みです。
なぜ都内では準耐火仕様が選ばれるの?
建ぺい率が10%緩和され、家を広く建てられるからです(建築基準法53条3項)。東京23区の都心部はほぼ防火地域か準防火地域で、準防火地域で準耐火建築物にするとこの緩和を受けられます。たとえば100㎡の土地で建築面積が60㎡から70㎡まで増え、都内の狭小地ではこの約3坪が大きな違いになります。
EPSはウレタンより断熱性能が劣るの?
JIS規格の熱伝導率ではウレタン0.024に対しEPS1号0.036以下で数字上はウレタンが優勢ですが、優劣ではなく目的が違う素材です。EPSは耐火性が高く燃えにくい、湿気に強く長寿命、燃えてもダイオキシンを出さない、といった明確なメリットがあります。土地の条件と断熱性能のどちらを優先するかのバランスで選ぶものです。

ろれさん

ろれさん

一条工務店グランスマートで埼玉県に21坪の平屋を建てた施主。家づくりの経験をYouTube・ブログ・Webツールで発信中。

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