ろれさんの一条工務店攻略日記

ハウスメーカーの倒産は2026年に何件?前兆の見分け方と施主を守る制度

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「ハウスメーカーの倒産」で検索すると、倒産件数が過去最多といったニュースが並びます。これから家を建てる人にとっては、正直あまり気持ちのいい情報ではありません。

ただ、ニュースを読んでも「で、自分はどうすればいいのか」まではわからないことがほとんどです。統計は統計として報じられ、法律の解説は倒産した後の手続きの話に終始します。

この記事では、契約する前・契約した後に施主として何を確認しておけばいいかという視点で、公的機関と信用調査会社の一次情報だけを使って整理しました。


先に結論

  • 2026年上半期のハウスメーカー(木造建築工事業)の倒産は118件、前年同期比87.3%増
  • ただし実態は倒産より休廃業・解散のほうが約4.7倍多い。ニュースに出ない撤退のほうが多数派
  • 建築中の倒産に備える住宅完成保証制度は中小企業者が対象。大手は対象外
  • 引渡し後10年の構造保証は法律で守られている(会社が消えても請求できる)
  • 注文住宅の手付金は、建売の売買とは保護の仕組みが違う。契約前に支払い方法の確認が必要

2026年、実際に何件倒産しているのか

まず数字を確認します。ここは信用調査会社が公表している一次情報を使います。

ハウスメーカーの倒産は118件(2026年上半期)

東京商工リサーチの集計によると、2026年上半期の木造建築工事業(負債1,000万円以上)の倒産は118件で、前年同期比87.3%増でした。上半期で100件を超えたのは2013年(106件)以来、13年ぶりです。

2026年上半期、ハウスメーカーの倒産は118件。前年同期比87.3%増。原因の内訳は販売不振85件72.0%、赤字累積20件16.9%、その他13件11.1%

原因の内訳はこうなっています。

原因件数構成比
販売不振85件72.0%
赤字累積の既往のシワ寄せ20件16.9%
その他13件11.1%

7割が販売不振です。資材高騰で1棟あたりの単価が上がり、住宅ローン金利も上昇したことで、そもそも家が売れにくくなっている構図が見えます。

実は「倒産」より「静かな撤退」のほうが多い

ここが、ニュースを読んでいるだけでは見落とす部分です。

帝国データバンクが2026年7月14日に公表した集計によると、2026年上半期の建設業はこうなっています。

実は倒産より静かな撤退のほうが多い。倒産1,043件(+5.8%)に対して休廃業・解散は4,894件(+27.8%)で約4.7倍。合計5,937件は上半期として過去最多
区分件数前年同期比
倒産1,043件+5.8%
休廃業・解散4,894件+27.8%
合計5,937件上半期として過去最多

休廃業・解散が倒産の約4.7倍あります。しかも増加率は休廃業のほうがはるかに大きい(+27.8% と +5.8%)。

合計5,937件は、リーマンショック直後の2009年上半期(5,811件)を超えて過去最多です。

倒産は法的手続きなのでニュースになりますが、休廃業は「静かに店じまいする」ため報道されません。施主の立場からすると、契約先が倒産しなくても、引渡し後にアフターサービスの窓口が消えるという形で影響を受ける可能性があります。

なお、業態別では木造建築工事が947件と最多で、2017年以来9年ぶりに上半期で900件を超えました。


倒産したら実際どうなるのか — 3層で理解する

「倒産したら家はどうなるのか」は、タイミングと契約の種類によって答えが変わります。ここを3層に分けて整理します。

倒産したらどうなる? 3層で理解する。第1層 建築中は住宅完成保証制度だが対象は中小企業者のみで大手は対象外、第2層 引渡し後10年は住宅瑕疵担保履行法で倒産していても請求できる、第3層 手付金・前払金は宅建業法41条の対象が売買のため注文住宅は契約内容次第

第1層:建築中の倒産 — 住宅完成保証制度

建築の途中で施工会社が倒産すると、支払い済みの前払金が失われたり、別の会社に工事を引き継ぐための追加費用(増嵩工事費用)が発生したりします。これに備えるのが住宅完成保証制度です。

ただし、ここに重要な条件があります。

住宅完成保証制度は中小企業者向けの制度です。

住宅保証機構の場合、対象は中小企業基本法に定める中小企業者、つまり資本金3億円以下、または常時使用従業員数300人以下の法人・個人と定められています。

つまり、大手ハウスメーカーで契約する場合、この制度で守られるわけではありません。「完成保証があるから安心」という説明は、中小の工務店で契約する場合の話です。

保証の内容は次のとおりです。

項目AタイプBタイプ
保証内容増嵩工事費用のみ増嵩工事費用+前払金の損害保証
保証割合20%増嵩工事費用20%+前払金1〜20%

事業者ごとの保証限度額は1億5,000万円です。対象は個人が発注する新築一戸建て住宅(併用住宅を含む)の工事請負契約になります。

中小の工務店で検討している方は、その会社が制度に登録しているか、AタイプかBタイプかを契約前に確認しておくと安心です。

第2層:引渡し後10年 — 住宅瑕疵担保履行法

引渡し後については、法律の裏付けがあります。

住宅瑕疵担保履行法により、新築住宅を供給する事業者は「保険への加入」または「供託」のいずれかが義務付けられています。これは任意ではなく義務です。

そして施主にとって重要なのは、事業者が倒産していても請求できるという点です。

  • 保険の場合:施主が保険法人に直接請求できる権利を持つ
  • 供託の場合:施主が供託金からの還付請求権を持つ

対象は住宅の構造耐力上主要な部分等で、期間は引渡し後10年間です。

会社がなくなったら10年保証も消える、という単純な話ではありません。ここは大手・中小を問わず守られる部分です。

一方で注意したいのは、会社独自の延長保証(30年保証など)や定期点検、アフターサービスには法的な裏付けがないことです。倒産や廃業でこれらは受けられなくなります。「法定の保証」と「会社独自のサービス」は分けて理解しておいてください。

第3層:手付金・前払金 — 注文住宅は建売と仕組みが違う

ここが一番わかりにくく、そして見落とされがちな部分です。

宅地建物取引業法第41条には手付金等の保全措置が定められていますが、条文の対象は「宅地又は建物の売買で自ら売主となるもの」です。つまり、建売住宅を買うケースが想定されています。

注文住宅で結ぶのは工事請負契約であり、売買契約とは契約の種類が異なります。そのため、手付金や中間金の保全がどう扱われるかは、個別の契約内容によります。

これは「注文住宅が危ない」という話ではなく、建売と同じ感覚で考えないほうがいいという話です。契約前に次の点を確認しておいてください。

  • 着工金・中間金・最終金の支払いタイミングと金額
  • 工事の出来高に対して支払いが先行しすぎていないか
  • 前払金の保全措置があるか(完成保証のBタイプなど)

一括で大きな前払いを求められる契約は、その分リスクを負うことになります。


倒産の前兆は見分けられるのか

「契約先が危ないかどうか事前にわかるのか」という疑問については、正直に言えば外部から確実に予測するのは困難です。

倒産の前兆は外部から確実には予測できない。決算を公表していない非上場企業も多く信用調査会社のレポートも有料。それでも公開情報で確認できることは、上場企業なら決算情報、非上場でも会社概要、官報・調査会社の発表。2026年上半期の倒産原因のうち販売不振は72.0%

決算を公表していない非上場企業も多く、信用調査会社のレポートも有料です。個人が入手できる情報には限界があります。

ただし、確認できることはいくつかあります。

公開情報で確認できること

  • 上場企業なら決算情報が公開されている。売上高の推移、営業利益、自己資本比率を数期分見れば傾向はつかめる
  • 非上場でも会社概要で資本金・従業員数・沿革は確認できる。急激な支店の統廃合がないか
  • 官報や信用調査会社のニュースリリースで、業界全体の動向は追える

統計から言えること

2026年上半期の倒産原因の72.0%が販売不振でした。つまり、受注が減っている会社ほどリスクが高いということです。

また、資材高騰・住宅ローン金利上昇・建築基準法改正(4号特例縮小など)による確認申請の厳格化といった外部環境の変化が、業界全体の逆風になっていると帝国データバンクは指摘しています。これは特定の会社の問題ではなく、業界共通の条件です。

予測より「確認」に時間を使う

会社の将来を予測するのは専門家でも難しい話です。それよりも、倒産しても自分が困らない契約になっているかを確認するほうが現実的です。


契約前・契約後のチェックリスト

不安を減らす一番の方法は、確認できることを確認しておくことです。

契約前に確認すること。支払いスケジュールを契約書で確認、支払いが先行しすぎていないか、中小の工務店なら住宅完成保証制度の登録とタイプ、瑕疵担保履行法の資力確保措置は保険か供託か、会社独自の長期保証は法定保証ではない、上場企業なら直近数期の決算

契約前

  • 支払いスケジュール(着工金・中間金・最終金の時期と金額)を契約書で確認する
  • 工事の進捗に対して支払いが先行しすぎていないか
  • 中小の工務店なら、住宅完成保証制度に登録しているか。AタイプかBタイプか
  • 瑕疵担保履行法の資力確保措置は保険か供託か
  • 会社独自の長期保証は「法定保証」ではないことを理解しておく
  • 上場企業なら直近数期の決算を見ておく

契約後・建築中

  • 工事の進捗と支払い状況の対応を記録しておく
  • 契約書・仕様書・図面・領収書を紙で保管しておく
  • 瑕疵保険の保険証券(または供託の説明書面)を受け取り保管する

最後の書類保管は地味ですが重要です。万一のとき、自分が何をいくら支払い、何を約束されていたかを証明できるのは書面だけです。


まとめ

  • 2026年上半期のハウスメーカー倒産は118件(前年同期比87.3%増)。原因の72.0%が販売不振
  • ただし建設業全体では休廃業・解散4,894件が倒産1,043件の約4.7倍。ニュースにならない撤退のほうが多い
  • 住宅完成保証制度は中小企業者が対象。大手ハウスメーカーは対象外なので「完成保証があるから安心」は当てはまらない
  • 引渡し後10年の構造保証は法律で守られる。会社が倒産していても保険法人への直接請求・供託の還付請求ができる
  • 注文住宅の工事請負契約は、建売の売買契約とは手付金保護の仕組みが異なる。支払いスケジュールの確認が重要
  • 会社の将来を予測するより、倒産しても困らない契約になっているかを確認するほうが現実的

なお、一条工務店を検討していて経営状況が気になる方は、公開データで整理した記事も用意しています。


参考にした一次情報

この記事の数値・制度の説明は、以下の一次情報のみを根拠にしています。

制度の適用や契約内容の判断については、個別の状況によって結論が変わります。具体的な契約について不安がある場合は、契約先の担当者や専門家に直接ご確認ください。

よくある質問

2026年のハウスメーカーの倒産は何件ですか?
東京商工リサーチによると、2026年上半期の木造建築工事業(負債1000万円以上)の倒産は118件で、前年同期比87.3%増でした。上半期で100件を超えたのは2013年以来13年ぶりです。原因の72.0%が販売不振でした。
倒産件数だけ見ていれば業界の実態がわかりますか?
倒産件数だけでは実態を見誤ります。帝国データバンクの集計では、2026年上半期の建設業は倒産1,043件に対して休廃業・解散が4,894件と、約4.7倍でした。合計5,937件は上半期として過去最多です。ニュースが報じるのは倒産だけなので、静かに事業をやめる会社のほうが多いという実態が見えにくくなっています。
住宅完成保証制度に入っていれば大手でも安心ですか?
住宅完成保証制度は中小企業者が対象の制度です。住宅保証機構の場合、対象は中小企業基本法に定める中小企業者(資本金3億円以下、または常時使用従業員数300人以下)とされています。大手ハウスメーカーはこの条件に当てはまらないため、同じ制度で守られるわけではありません。大手の場合は瑕疵担保履行法による引渡し後の保護が中心になります。
契約した会社が倒産したら、払った手付金は戻ってきますか?
契約の種類によって保護の仕組みが違います。宅地建物取引業法第41条の手付金等の保全措置は「宅地又は建物の売買で自ら売主となるもの」が対象と定められており、建売住宅の売買が想定されています。注文住宅で結ぶ工事請負契約は条文上の対象と異なるため、支払い方法や保全の有無は個別の契約内容次第になります。契約前に支払いスケジュールと保全の取り扱いを必ず確認してください。

ろれさん

ろれさん

一条工務店グランスマートで埼玉県に21坪の平屋を建てた施主。家づくりの経験をYouTube・ブログ・Webツールで発信中。

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