福岡県で一条工務店を建てる。電気代は52市中50位、でも一戸建は42.8%【2026年版】
福岡県で一条工務店を検討していて、「福岡は暖かいから断熱にお金をかける意味があるのか」「うちの市はどの基準になるのか」と気になっていませんか。
先に結論をお伝えすると、福岡県は光熱費がもともと全国で最も安い部類の県です。福岡市の電気代は52市中50位。そのうえで押さえておきたいのが、省エネ地域区分が県内で3つに分かれていて、福岡市と北九州市で基準が違うという点です。
私(ろれさん)は埼玉県で一条工務店の平屋を建築中の施主です。福岡に住んだことはないので、現地の体感は語れません。そのぶん公式サイト・気象庁・総務省統計局・住宅金融支援機構の数値だけを根拠に、福岡で検討している方が最初に知っておきたいことをまとめます。
結論:光熱費は全国最安級。ただし地域区分は県内で3つ
先に要点をまとめます。
| 気になること | 福岡県の答え |
|---|---|
| 契約先はどこの会社? | 一条工務店(本体が直接担当) |
| 展示場は何ヶ所? | 19ヶ所。建築棟数実績9,248棟 |
| 光熱費の特徴は? | 電気代117,394円が52市中50位で全国最安級 |
| 断熱の基準は県内で同じ? | 5・6・7地域の3区分に分かれる |
| 福岡市と北九州市は同じ? | 福岡市は7地域、北九州市は6地域 |
| 雪の設計対応は必要? | 多雪区域の指定なし。垂直積雪量も最大0.47m |
| 一戸建は多い? | 42.8%で全国(52.7%)を約10ポイント下回る |
| 体験館はある? | 飯塚市に九州で唯一の体験館がある |
ここから、光熱費・地域区分・体験館・住宅事情・気候の順に見ていきます。
福岡市の電気代は52市中50位
まず光熱費から入ります。ここが福岡で一番際立つ数字です。
| 光熱費(年額) | 福岡市 | 全国順位(52市中) | 全国平均 |
|---|---|---|---|
| 電気代 | 117,394円 | 50位 | 149,965円 |
| 都市ガス | 48,301円 | 18位 | 39,035円 |
| プロパンガス | 14,796円 | 35位 | 20,309円 |
| 灯油 | 5,224円 | 38位 | 15,094円 |
電気代117,394円は全国平均より年3万2千円ほど安い水準です。52市中50位なので、下から3番目ということになります。
もうひとつ目を引くのが灯油の5,224円です。全国平均15,094円の3分の1程度で、冬に灯油を焚く習慣がほとんどないことが数字に出ています。
一方で都市ガスは48,301円で18位と高い側です。給湯や調理をガスでまかなう世帯が多いという構成になります。
家づくりに引き寄せると、ここは考え方が分かれるところです。もともと光熱費が安い県なので、断熱に投資した分の光熱費削減額は、寒冷地ほど大きくは出ません。ただし一条の標準は床暖房とエコキュートで、給湯も電気に寄る仕様です。ガスで払っていた分が電気に置き換わるので、光熱費の内訳が変わるという見方になります。
契約前に自分の間取りと建築地で試算を出してもらうのが確実だと思います。
福岡市と北九州市は省エネ地域区分が違う
次に断熱の基準の話です。福岡県はここが少し複雑です。
省エネ地域区分というのは、国が全国を1〜8の8段階に分けたもので、数字が小さいほど寒い地域です。区分によって断熱性能の基準値(どれくらい熱を逃がしてよいか)が変わります。
| 地域区分 | 該当する市町村 | 断熱の基準 |
|---|---|---|
| 7地域 | 福岡市・志免町・新宮町・粕屋町・芦屋町 | 県内で最もゆるい |
| 6地域 | 北九州市・久留米市など上記・下記以外の全市町村 | 県内で最も広い区分 |
| 5地域 | 東峰村 | 県内で最も厳しい |
注目したいのは、7地域がわずか5市町しかないことです。福岡市と、その周辺の志免町・新宮町・粕屋町、それと芦屋町だけ。
「福岡は暖かいから7地域だろう」と考えると、北九州市や久留米市で建てる場合にずれます。この2市は6地域です。私が建てている埼玉と同じ区分になります。
東峰村だけが5地域です。5地域は東北南部や北関東の内陸と同じ区分で、県内で最も厳しい基準になります。
土地が決まったら、自分の市町村がどの区分かを確認しておくと、仕様の前提がはっきりします。
ろれさんに紹介をお願いする九州で唯一の体験館が飯塚市にある
福岡県には、九州で唯一の「住まいの体験館」があります。
| 九州ハウジングテクノロジーセンター(飯塚市) | 体験できるか | 全国の実施施設数 |
|---|---|---|
| 免震体験 | できる | 10施設 |
| 耐水害実験棟 | できる | 10施設 |
| プレミアムシアター | できる | 8施設 |
| 全館さらぽか空調体験 | できる | 11施設 |
| 断熱体感ルーム | この施設にはない | 9施設 |
| 火災実験 | この施設にはない | 2施設 |
所在地は飯塚市有安958-34です。全国に16ある体験館のうち、九州にあるのはここ1施設だけです。
体験できるメニューは4つ。免震体験、耐水害実験棟、プレミアムシアター、全館さらぽか空調体験です。
このうち耐水害実験棟は、実物大の建物を使って浸水を再現する設備です。模型で見せる施設もありますが、飯塚は実験棟のあるタイプです。
全館さらぽか空調は、一条の全館空調オプションです。展示場でカタログを見るより、実際に空気を感じたほうが判断しやすいと思います。
なお断熱体感ルームはこの施設にはありません。断熱の効きを体感したい場合は、展示場でどこまで確認できるか聞いてみるのが早いです。
展示場に行く前に、まず体験館に足を運んでおくと、その後の打ち合わせで話が早くなります。福岡だけでなく、佐賀・長崎・熊本から見ても最寄りの体験館になります。
一戸建の割合42.8%は全国平均を10ポイント下回る
福岡県の住宅事情を見ます。ここは他県とはっきり違う数字が出ます。
| 住宅事情 | 福岡県 | 全国 | 全国との差 |
|---|---|---|---|
| 一戸建の割合 | 42.8% | 52.7% | -9.9pt |
| 持ち家住宅率 | 52.7% | 60.9% | -8.2pt |
| 木造住宅の割合 | 44.6% | 54.0% | -9.4pt |
| 敷地面積(注文住宅) | 323.5㎡ | 329.7㎡ | -6.2㎡ |
一戸建の割合42.8%は、全国(52.7%)を約10ポイント下回ります。持ち家住宅率52.7%、木造住宅の割合44.6%も同じように全国平均より低い水準です。
3つの指標がそろって下回るのは、福岡市と北九州市という2つの大都市に集合住宅が集まっていることの表れだと読めます。九州の中で人口が集中している県なので、そのぶん賃貸マンションやアパートの比率が高くなります。
家づくりに引き寄せると、土地の確保が最初のハードルになりやすいということです。都市部に近いほど地価が上がり、敷地も狭くなります。
敷地面積323.5㎡は全国平均とほぼ同じですが、これは県全体の平均です。福岡市内で建てる場合と、県北部や筑後地方で建てる場合では条件がかなり違うはずです。
一条は総二階の間取りが得意なハウスメーカーなので、敷地が限られる場合でも設計の相性は悪くありません。ただし土地の形状によっては制約が出るので、候補地が絞れた段階で相談してみるのが確実です。
沿岸と内陸で対策すべき方向が逆になる
気候を見ます。福岡県は県内で気候の差がはっきり出ます。
| 気候(平年値) | 福岡市 | 飯塚市 | 差 |
|---|---|---|---|
| 冬日(0℃未満の日) | 2.5日 | 28.4日 | 約11倍 |
| 熱帯夜(25℃以上の夜) | 38.7日 | 17.4日 | 21.3日多い |
| 1月の平均気温 | 6.9℃ | 5.3℃ | 1.6℃低い |
| 猛暑日(35℃以上) | 8.1日 | 6.8日 | 1.3日 |
| 年降水量 | 1,686.9mm | 1,813.4mm | 126.5mm |
一番の違いは冬日です。海に面した福岡市は年2.5日しかないのに、内陸の飯塚市は28.4日。約11倍の差があります。
逆に熱帯夜は福岡市が38.7日で、飯塚市(17.4日)より21.3日多い。福岡市は海に囲まれているぶん、夏の夜も気温が下がりにくいということです。
つまり同じ福岡県でも、沿岸は夜の暑さ、内陸は冬の冷え込みと、対策すべき方向が逆になります。地域区分が福岡市とその周辺だけ7地域になっているのも、この気候差が反映された結果です。
福岡市で建てるなら、寝室が夜どこまで下がるかが主題になります。一条の全館さらぽか空調は除湿しながら室温を保つ設備なので、熱帯夜の多い地域とは相性が考えられます。飯塚市のような内陸なら、床暖房の効き方が主題になります。
同じ「福岡で建てる」でも、優先すべき仕様は建築地で変わります。
【詳細】福岡で押さえておきたい細かい数字
ここからは細かい話です。読み飛ばしても本筋には影響しません。
建築費
住宅金融支援機構のフラット35利用者調査(2024年度・注文住宅)による福岡県の数字です。
| 項目 | 福岡県 | 全国平均 |
|---|---|---|
| 建設費 | 3,699.1万円 | 3,932.1万円 |
| 住宅面積 | 119.5㎡ | 118.5㎡ |
| 敷地面積 | 323.5㎡ | 329.7㎡ |
| 世帯年収 | 605.4万円 | 652.5万円 |
| 世帯主年齢 | 50.2歳 | 48.9歳 |
| 件数 | 157件 | 3,272件 |
建設費3,699.1万円は全国平均より約233万円安い水準です。件数157件は九州4県の中で最も多く、平均値としての信頼性は比較的高いほうです。
住宅面積119.5㎡は全国平均をわずかに上回ります。敷地は全国平均並みで、建物は平均よりやや広いという組み合わせです。
なお、この数値は一条工務店に限らない県内の注文住宅全体の平均です。一条は坪単価が高めのハウスメーカーなので、この金額で建てられるという意味ではありません。私の場合は21坪の平屋で、坪単価ベースでは約130万円まで膨らみました。詳しくは 一条工務店の見積もりが上がっていく理由 に書いています。
販売体制
福岡県は一条工務店の本体が直接担当しています。別会社が担当するエリアではないため、取扱商品やキャンペーンは全国共通の内容になります。
展示場は19ヶ所で九州最多、建築棟数実績は9,248棟、営業所は34年超の歴史があります。公式サイトには「福岡県持家 着工棟数NO.1」と掲載されています(住宅産業研究所調べ・対象2024年度)。
雪
福岡県に多雪区域の指定はありません。垂直積雪量は県内で0.16m〜0.47mの範囲で、最大は東峰村(旧小石原村)の0.47mです。
北陸や東北のように積雪荷重を前提とした構造設計にはなりません。屋根形状や雨樋の選択で雪を意識する必要はほとんどないということです。
台風
気象庁の平年値では、九州北部地方への台風接近数は年3.8回です。中国地方(3.0回)や北陸地方(2.8回)より多い水準になります。
台風の多い地域では、外壁材やサッシの水密性・耐風圧性能が効いてきます。一条の窓は樹脂サッシが標準ですが、性能の等級については展示場で確認しておくと安心です。
冬の気温
福岡市の1月の平均気温は6.9℃、年平均気温は17.3℃です。冬日は2.5日しかないので、氷点下になる日はほとんどありません。年日照時間は1,889.4時間です。
まとめ
- 福岡県は一条工務店の本体が直接担当。展示場19ヶ所は九州最多で、建築棟数実績は9,248棟
- 福岡市の電気代117,394円は52市中50位で全国最安級。全国平均より年3万2千円ほど安い
- 灯油5,224円は全国平均の3分の1程度で、冬に灯油を焚く習慣がほとんどない
- 省エネ地域区分は5・6・7地域の3区分。7地域は福岡市・志免町・新宮町・粕屋町・芦屋町の5市町のみ
- 北九州市・久留米市は6地域で、福岡市とは基準が違う。土地が決まったら区分を確認しておきたい
- 飯塚市に九州で唯一の体験館がある。免震・耐水害実験棟・シアター・全館さらぽか空調に対応
- 一戸建42.8%・持ち家52.7%・木造44.6%はいずれも全国平均を下回る。都市部の集合住宅が多い
- 沿岸の福岡市は熱帯夜38.7日、内陸の飯塚市は冬日28.4日で、対策すべき方向が逆になる
- 多雪区域の指定はなし。垂直積雪量は最大でも東峰村の0.47m
- 九州北部地方への台風接近数は年3.8回
福岡県は、光熱費がもともと安く、体験館もあり、展示場も多いという恵まれた条件がそろっています。そのぶん「どの市で建てるか」で前提が変わるので、土地探しと並行して地域区分を確認しておくのがいいと思います。まずは飯塚の体験館で実物を見てから展示場に行くと、判断の軸がはっきりするはずです。
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参考にした一次情報
- 気象庁 平年値(1991〜2020年)/台風の平年値
- 国土交通省告示第265号 別表第10(省エネ地域区分)
- 福岡県建築基準法施行細則第7条の3(垂直積雪量)
- 建築基準法施行令第86条/平成12年建設省告示第1455号
- 総務省統計局 家計調査(二人以上の世帯・都道府県庁所在市および政令指定都市・2023〜2025年平均)
- 総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査
- 住宅金融支援機構 フラット35利用者調査(2024年度・注文住宅)
- 一条工務店 公式サイト(県別ページ・展示場検索・住まいの体験館・2026年8月時点)
よくある質問
- 福岡県で一条工務店は建てられますか?
- 建てられます。福岡県は一条工務店の本体が直接担当しており、県内に19ヶ所の展示場があります。建築棟数実績は9,248棟、営業所は34年超の歴史があり、公式サイトには「福岡県持家 着工棟数NO.1」と掲載されています。
- 福岡県の省エネ地域区分は何地域ですか?
- 県内で5・6・7地域の3つに分かれます。7地域は福岡市・志免町・新宮町・粕屋町・芦屋町の5市町のみで、北九州市や久留米市は6地域です。東峰村だけが5地域になります。同じ県内でも建築地によって断熱の基準値が変わります。
- 福岡県の電気代は高いですか?
- 安い側です。総務省の家計調査によると福岡市の電気代は年117,394円で52市中50位、全国平均(149,965円)より約3万2千円安い水準です。灯油も5,224円で全国平均の3分の1程度です。
- 福岡県で一条工務店の体験館はどこにありますか?
- 飯塚市有安958-34の九州ハウジングテクノロジーセンターです。九州で唯一の体験館で、免震体験・耐水害実験棟・プレミアムシアター・全館さらぽか空調体験に対応しています。
- 福岡県は雪の対策が必要ですか?
- 多雪区域の指定はありません。垂直積雪量は県内で0.16m〜0.47mの範囲で、最大は東峰村(旧小石原村)の0.47mです。北陸や東北のような積雪荷重を前提とした設計にはなりません。
- 福岡県は一戸建が多いですか?
- 全国平均を下回ります。令和5年住宅・土地統計調査による福岡県の一戸建の割合は42.8%で全国(52.7%)より約10ポイント低く、持ち家住宅率52.7%・木造住宅の割合44.6%もそれぞれ全国平均を下回ります。福岡市・北九州市に集合住宅が集まっていることの表れです。