広島県で一条工務店を建てる。広島市は熱帯夜、福山市は冬日が主題になります【2026年版】
広島県で一条工務店を検討していて、「広島市と福山市で条件は変わるのか」「うちの土地の断熱基準はどれになるのか」と気になっていませんか。
先に結論をお伝えすると、広島県は同じ県内で夏と冬の主題が入れ替わる県です。広島市は熱帯夜が年33.2日、福山市は冬日が年45.3日。どちらで建てるかで、家の設計で優先すべきことが変わります。
私(ろれさん)は埼玉県で一条工務店の平屋を建築中の施主です。まだ入居前なので、広島の夏の夜も福山の朝の冷え込みも体感していません。そのぶん公式サイト・気象庁・総務省統計局・住宅金融支援機構の数値だけを根拠に、広島で検討している方が最初に知っておきたいことをまとめます。
結論:県内で気候も断熱基準も大きく分かれる
先に要点をまとめます。
| 気になること | 広島県の答え |
|---|---|
| 契約先はどこの会社? | 一条工務店の本体が直接担当 |
| 展示場は何ヶ所? | 10ヶ所(営業所設立40周年) |
| 広島市の気候の特徴は? | 熱帯夜33.2日。夜の暑さが主題 |
| 福山市の気候の特徴は? | 冬日45.3日。朝の冷え込みが主題 |
| 断熱の基準は県内で同じ? | 3・4・5・6地域の4区分に分かれる |
| 多雪区域の指定は? | 指定なし。ただし2.05mの区域が存在する |
| 光熱費の特徴は? | 電気代164,789円で15位、都市ガス52,365円で14位 |
| 建築費は? | 4,305.7万円で全国平均より約374万円高い |
ここから、気候・地域区分・雪・光熱費・建築費の順に見ていきます。
広島市は熱帯夜33.2日、福山市は冬日45.3日
まず気候の話から入ります。ここが広島県で一番おもしろい対比です。
| 気候(平年値) | 広島市 | 福山市 |
|---|---|---|
| 熱帯夜(夜25℃以上) | 33.2日 | 13.6日 |
| 冬日(0℃未満) | 12.8日 | 45.3日 |
| 猛暑日(35℃以上) | 8.1日 | 8.6日 |
| 1月の平均気温 | 5.4℃ | 4.6℃ |
| 年降水量 | 1,572.2mm | 1,171.7mm |
| 年日照時間 | 2,033.1時間 | 2,069.8時間 |
興味深いのは、猛暑日はほぼ同じという点です。広島市8.1日、福山市8.6日。日中の最高気温の出方には差がありません。
差がつくのは夜と朝です。熱帯夜は広島市33.2日に対し福山市13.6日で、2.4倍の開きがあります。冬日は逆に福山市45.3日に対し広島市12.8日で、3.5倍の開きです。
なぜ同じ県でここまで違うのか
数字の裏側を読むと、広島市は夜になっても気温が下がりにくく、福山市は下がりやすいという傾向が見えます。1月の平均気温は広島市5.4℃・福山市4.6℃と0.8℃しか違わないのに、冬日の日数は3.5倍も差がつく。これは福山市のほうが1日の中での気温の振れ幅が大きいということです。
年降水量も広島市1,572.2mmに対し福山市1,171.7mmで、400mmの差があります。
設計の主題が変わる
この差は、家づくりの優先順位をそのまま変えます。
広島市で建てるなら、夏の夜の暑さが主題です。熱帯夜33.2日は全国的に見ても多い側で、寝室の温度管理が住み心地を左右します。日射の遮蔽、夜間の排熱、冷房の効かせ方といった夏向けの設計が効いてきます。
福山市で建てるなら、冬の朝の冷え込みが主題です。冬日45.3日は年間の8分の1にあたります。断熱と気密、そして朝一番の室温をどう保つかが論点になります。
一条の標準仕様である床暖房は、朝の底冷えに対しては相性のいい設備です。一方で夏の夜の暑さに対しては、さらぽか空調(床冷房とデシカント換気の組み合わせ)が選択肢に入ります。どちらを重視するかは建築地で判断が分かれるということです。
体感してから決めたい場合は、隣県の米子ハウジングテクノロジーセンター(鳥取県米子市両三柳263)が中国5県で唯一の住まいの体験館です。断熱体感ルームと全館さらぽか空調体験の両方があります。
ろれさんに紹介をお願いする広島県だけ3地域から6地域まで4区分ある
省エネ地域区分の話です。
省エネ地域区分は、日本を1〜8地域に分けて断熱性能の基準値を決める仕組みです。数字が小さいほど寒い地域で、求められる断熱性能が高くなります。
| 地域区分 | 該当する市町村 | 断熱の要求 |
|---|---|---|
| 3地域 | 廿日市市(旧吉和村)のみ | 最も厳しい |
| 4地域 | 庄原市北部・安芸太田町・世羅町・神石高原町 | 厳しい |
| 5地域 | 三次市・府中市・東広島市・安芸高田市・北広島町 | 中間 |
| 6地域 | 広島市・福山市など上記以外 | 最もゆるい |
広島県は3・4・5・6地域の4区分にまたがります。中国5県で3地域があるのは広島だけです。鳥取・島根・岡山は4地域が最も厳しい区分で、山口に至っては5地域が最も厳しい区分です。
3地域に該当するのは廿日市市の旧吉和村エリアだけです。廿日市市は宮島のある沿岸部から中国山地まで市域が広がっているため、同じ市の中で条件が大きく変わります。
私が建てている埼玉は6地域なので、広島市・福山市で建てるなら埼玉と同じ基準です。一方で3地域は埼玉より3区分ぶん寒い基準になります。同じ県内でこれだけの幅があるのは、中国地方では広島だけの特徴です。
一条工務店は「標準仕様で全国どこでも断熱等級6以上をクリア」としており、グラン・スマートとアイ・スマートは「全国どこでも断熱最高等級7を標準仕様でクリア」と表記しています。ただし公式に「建築地やプラン、採用する仕様によっては満たせない場合があります」という注記が付いているので、狙っている等級がある場合は自分のプランで確認してもらうのが確実です。
広島は「多雪区域の指定なし」でも2m超の区域がある
雪の話です。ここは誤解されやすい部分なので、丁寧に見ていきます。
| 区域 | 基準垂直積雪量 |
|---|---|
| 芸北町 | 2.05m |
| 高野町 | 1.90m |
| 大朝町 | 1.40m |
「垂直積雪量1m以上=多雪区域」ではない
まず用語の整理から。
垂直積雪量は、その土地で想定する雪の深さです。構造計算で屋根にかかる雪の重さを求めるときの基礎になる数値で、区域ごとに決まっています。
多雪区域は、建築基準法上の区分です。特定行政庁(都道府県や市)が指定するもので、指定されると積雪荷重の計算条件が厳しくなります。
この2つは別物です。「垂直積雪量が1mを超えたら自動的に多雪区域」ということはありません。
広島県は**「広島県管内に多雪区域の指定はありません」と明記しています**。上の表のとおり2.05mという大きな基準垂直積雪量の区域があるにもかかわらず、法令上の多雪区域には該当しないということです。県全体では0.20m〜約2.05mの幅があります。
多雪区域の指定がないため、積雪の単位荷重は1cmあたり20N扱いです。これは建築基準法施行令が定める最低値と同じ数値になります。参考までに、多雪区域の指定がある富山県や鳥取県では1cmあたり30Nで計算します。
実務上どう捉えるか
指定がないからといって、雪の設計が不要という意味ではありません。基準垂直積雪量2.05mの土地に建てるなら、その積雪に耐える設計が必要なことに変わりはありません。
家づくりの実務としては、「県が多雪区域を指定しているかどうか」より「自分の土地の基準垂直積雪量がいくつか」を確認するほうが直接的です。土地が決まったら所管の窓口に問い合わせておくと、設計の前提がはっきりします。
なお、広島市・福山市といった沿岸部の主要都市は積雪量の小さい区域です。県北の山間部で土地を探している場合に関わってくる話ということになります。
電気も都市ガスも全国15位前後
光熱費の話です。
| 光熱費(年額) | 広島市 | 全国順位(52市中) | 全国平均 |
|---|---|---|---|
| 電気代 | 164,789円 | 15位 | 149,965円 |
| 都市ガス | 52,365円 | 14位 | 39,035円 |
| プロパンガス | 14,873円 | 34位 | 20,309円 |
| 灯油 | 5,535円 | 34位 | 15,094円 |
構成がはっきり分かれています。電気代164,789円が15位、都市ガス52,365円が14位で、この2つは全国平均を上回ります。一方で灯油5,535円とプロパンガス14,873円はどちらも34位で、全国平均を大きく下回ります。
灯油代5,535円は全国平均の3分の1程度です。これは冬に灯油ストーブを使う世帯が少ないことを意味します。冬日12.8日という広島市の気候を考えると、灯油暖房の出番が少ないのは自然な結果です。
つまり広島市の家庭は、電気と都市ガスで暖房と給湯をまかなっている構成です。都市ガスの供給網が整っている都市部らしい特徴と言えます。
家づくりに引き寄せると、一条の標準は床暖房(電気ヒートポンプ式)とエコキュートなので、ガスの契約自体が不要になる方向です。年間52,365円の都市ガス代が減る一方で電気の使用量は増えるので、差し引きでどうなるかは断熱性能と使い方次第ということになります。
太陽光と蓄電池を含めた収支をどう見るかも含めて、自分の間取りと建築地で試算を出してもらうのが確実だと思います。年日照時間2,033.1時間は全国的に見ても多い側なので、太陽光の条件は悪くありません。
建設費は全国平均より約374万円高い
お金の話です。
| 項目 | 広島県 | 全国平均 |
|---|---|---|
| 建設費 | 4,305.7万円 | 3,932.1万円 |
| 住宅面積 | 125.9㎡ | 118.5㎡ |
| 敷地面積 | 319.6㎡ | 329.7㎡ |
| 世帯年収 | 673.2万円 | 652.5万円 |
| 件数 | 42件 | 3,272件 |
建設費4,305.7万円は全国平均より約374万円高い水準です。住宅面積125.9㎡も全国平均を約7㎡上回ります。
世帯年収673.2万円は全国平均を20万円ほど上回っており、収入水準に見合った建物にかけている県だと読めます。敷地面積319.6㎡だけが全国平均をやや下回るのは、都市部の土地が取りにくいことの反映と考えられます。
この数値は一条工務店に限らない県内の注文住宅全体の平均です。一条は坪単価が高めのハウスメーカーなので、この金額で建てられるという意味ではありません。私の場合は21坪の平屋で、坪単価ベースでは約130万円まで膨らみました。詳しくは 一条工務店の見積もりが上がっていく理由 に書いています。
ろれさんに紹介をお願いする【詳細】広島で押さえておきたい細かい数字
ここからは細かい話です。読み飛ばしても本筋には影響しません。
展示場と販売体制
広島県は一条工務店の本体が直接担当しているエリアです。別会社が担当するエリアではないため、取扱商品やキャンペーンは全国共通の内容になります。
展示場は県内に10ヶ所。公式サイトには営業所設立40周年と表記されています。中国地方では山口(14ヶ所)に次いで2番目に多い展示場数です。
なお、一条工務店のグループ企業である一条分譲住宅(戸建分譲事業)の本社は広島県福山市にあります。注文住宅ではなく分譲住宅を手がける会社ですが、県内に本社を置くグループ企業があるという意味では縁のある県です。
住宅事情
| 項目 | 広島県 | 全国 |
|---|---|---|
| 持ち家住宅率 | 61.9% | 60.9% |
| 一戸建の割合 | 55.1% | 52.7% |
| 木造住宅の割合 | 53.2% | 54.0% |
いずれも全国平均に近い数字です。木造住宅の割合53.2%だけは全国(54.0%)をわずかに下回ります。中国5県の中では最も都市化が進んでおり、集合住宅の比率が高いぶん、木造戸建ての割合が下がっていると読めます。
参考までに、島根県の木造住宅の割合は77.3%です。同じ中国地方でも24ポイントの差があります。
台風の接近数
気象庁の平年値では、中国地方への台風接近数は年3.0回です。
年平均気温
広島市の年平均気温は16.5℃、福山市は15.7℃です。広島市の16.5℃は中国5県の主要都市の中では下関市(17.0℃)に次ぐ高さで、温暖な部類に入ります。真夏日は広島市64.3日・福山市62.5日で、どちらも年間の6分の1以上が30℃を超える計算です。
まとめ
- 広島県は一条工務店の本体が直接担当するエリア。展示場は10ヶ所で営業所設立40周年
- 熱帯夜は広島市33.2日に対し福山市13.6日。冬日は福山市45.3日に対し広島市12.8日で逆転する
- 猛暑日は広島市8.1日・福山市8.6日でほぼ同じ。差がつくのは夜と朝の気温
- 広島市で建てるなら夏の夜の暑さ、福山市なら冬の朝の冷え込みが設計の主題になる
- 省エネ地域区分は3・4・5・6地域の4区分。中国5県で3地域があるのは広島だけ
- 3地域は廿日市市の旧吉和村エリアのみ。埼玉の6地域より3区分ぶん寒い基準
- 広島県は「広島県管内に多雪区域の指定はありません」と明記。ただし芸北町2.05mの区域が存在する
- 多雪区域の指定がないため、積雪の単位荷重は1cmあたり20N扱い
- 電気代164,789円が15位、都市ガス52,365円が14位。灯油とプロパンはどちらも34位と安い
- 建設費4,305.7万円は全国平均より約374万円高い。住宅面積125.9㎡も全国平均を上回る
広島県は、県内で気候も断熱基準も大きく分かれるという点が特徴です。「広島県で建てる」と一括りにせず、自分の土地が県南の沿岸部なのか、福山側なのか、県北の山間部なのかで論点を切り替えていくのがよさそうです。まずは建築地の地域区分がどれになるかを確認するところから始めると、話が早く進みます。
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参考にした一次情報
- 気象庁 平年値(1991〜2020年)/台風の平年値
- 国土交通省告示第265号 別表第10(省エネ地域区分)
- 広島県建築基準法施行細則(令和2年1月1日施行・基準垂直積雪量)
- 建築基準法施行令第86条/平成12年建設省告示第1455号
- 総務省統計局 家計調査(二人以上の世帯・都道府県庁所在市および政令指定都市・2023〜2025年平均)
- 総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査
- 住宅金融支援機構 フラット35利用者調査(2024年度・注文住宅)
- 一条工務店 公式サイト(広島県の紹介ページ・展示場一覧・住まいの体験館一覧・グループ企業一覧・断熱等級の解説ページ・2026年8月時点)
よくある質問
- 広島県で一条工務店は建てられますか?
- 建てられます。広島県は一条工務店の本体が直接担当するエリアで、展示場は県内に10ヶ所あります。公式サイトには営業所設立40周年と表記されています。
- 広島市と福山市で気候はどれくらい違いますか?
- 夏と冬で正反対の出方をします。熱帯夜(夜25℃以上)は広島市が年33.2日に対し福山市は13.6日。逆に冬日(0℃未満)は福山市が45.3日に対し広島市は12.8日です。猛暑日はどちらも8日台でほぼ同じです。
- 広島県の省エネ地域区分は何地域ですか?
- 県内で3・4・5・6地域の4区分に分かれます。中国5県で3地域があるのは広島だけで、廿日市市の旧吉和村エリアが該当します。広島市・福山市は6地域です。
- 広島県に多雪区域はありますか?
- 広島県は「広島県管内に多雪区域の指定はありません」と明記しています。ただし基準垂直積雪量が2.05mの芸北町など、1mを超える区域は存在します。多雪区域の指定がないため、積雪の単位荷重は1cmあたり20N扱いになります。
- 広島県の注文住宅の相場はいくらですか?
- 住宅金融支援機構のフラット35利用者調査(2024年度・注文住宅)では、広島県の建設費は4,305.7万円で全国平均(3,932.1万円)より約374万円高い水準です。ただしこれは一条工務店に限らない県内の注文住宅全体の平均です。
- 広島県の光熱費は高いですか?
- 電気と都市ガスがやや高めです。総務省の家計調査によると広島市の電気代は年164,789円で52市中15位、都市ガスは52,365円で14位です。一方で灯油5,535円とプロパンガス14,873円はどちらも34位と安い側になります。