沖縄県で一条工務店は建てられない。公式が「沖縄県・高知県を除く」と明記する理由と、沖縄の家づくりの前提【2026年版】
「一条工務店で家を建てたい」と思って沖縄県で展示場を探しても、見つかりません。
結論から言うと、沖縄県は一条工務店の営業対象外です。これは推測ではなく、公式サイトに書かれている事実です。
私(ろれさん)は埼玉県で一条工務店の平屋を建築中の施主です。沖縄に住んだことはないので、体感の暑さや台風の怖さを語ることはできません。そのぶん、一条工務店の公式サイトと、気象庁・国土交通省・総務省統計局・沖縄県の公的資料だけを根拠に、「なぜ沖縄では建てられないのか」と「沖縄の家づくりは本土と何が違うのか」を整理します。
この記事は、他県向けの記事と違って「一条をおすすめする記事」にはなりません。建てられないものを勧めても意味がないからです。そのかわり、沖縄で高性能な家を考えるときに何が前提として違うのかを、できるだけ正確にお伝えします。
結論:沖縄県は営業対象外。理由は公式に説明されていない
先に要点をまとめます。
| 論点 | 事実 |
|---|---|
| 建てられるか | 建てられない。公式が拠点数を「沖縄県・高知県を除く」と記載 |
| 展示場 | 沖縄県内に0ヶ所。展示場検索も沖縄を選ぶと検索画面に飛ばされる |
| エリアページ | 他県にはある /area/<県名>/ が沖縄だけ404 |
| 対象外の理由 | 公式サイトに説明が一切ない |
| 紹介制度 | 建築自体ができないため、使う前提が成立しない |
営業対象外なのは、47都道府県のうち沖縄県と高知県の2県だけです。
そして沖縄は、一条工務店だけが特殊なわけではありません。後述しますが、本土の大手ハウスメーカー8社を調べたところ、沖縄県内に展示場を持っていたのは1社だけでした。沖縄の住宅市場は、そもそも本土とは別の構造になっています。
「沖縄県・高知県を除く」— 公式サイトの記載を確認する
一条工務店の会社概要には、事業所の規模について次のように書かれています。
沖縄県・高知県を除く全国約510拠点、47工場・物流拠点
出典は一条工務店 会社概要です。同ページには「2026年3月31日現在のグループ関連企業を含めた数字」という注記があります。
正確に言うと、これは「沖縄県では営業していません」という宣言文ではなく、拠点数を説明する文の但し書きです。ただ、この但し書き以外にも、沖縄が対象外であることを示す事実が複数あります。
展示場検索で沖縄を選ぶと、検索画面に戻される
一条工務店の展示場検索は https://www.ichijo.co.jp/guide/list/?pref=<都道府県コード> というURLで都道府県ごとの一覧を表示します。東京都(13)や埼玉県(11)を指定すると、通常どおり展示場一覧が表示されます。
ところが沖縄県(47)を指定すると、一覧ページは表示されず /guide/ にリダイレクトされます。「0件です」という表示すら出ません。検索結果の画面自体が存在しないということです。高知県(39)も同じ挙動でした。
エリアページが沖縄だけ存在しない
一条工務店には都道府県ごとのエリアページがあります。たとえば青森県のページや大阪府のページは通常どおり表示されます。
しかし https://www.ichijo.co.jp/area/okinawa/ は404でした。高知県の /area/kochi/ も404です。九州や四国の他県(鹿児島・宮崎・愛媛・香川・徳島)はいずれも正常に表示されるので、地方単位で作っていないわけではありません。この2県だけがページを持っていません。
公式サイトのHTMLでも、この2県だけ扱いが違う
展示場検索ページの都道府県セレクタのHTMLを確認したところ、47都道府県すべてが選択肢としては並んでいます。ただし、内部的にエリア情報が紐付いていない都道府県が2つだけありました。高知県と沖縄県です。
つまり見た目上は選べるものの、システム上は展示場エリアとして扱われていない、という状態です。
ここまでの4点から、「沖縄県は一条工務店の営業対象外」は一次情報で確定してよい事実だと判断できます。
対象外の理由は、公式に一切書かれていない
では、なぜ沖縄県と高知県だけが対象外なのでしょうか。
会社概要、グループ会社のページ、お問い合わせページ、展示場検索、採用情報のFAQまで確認しましたが、理由を説明したページは見つかりませんでした。
インターネット上では「台風が多いから」「シロアリの被害が大きいから」「塩害があるから」「物流コストが合わないから」といった説明を見かけます。しかしこれらはいずれも一条工務店が公式に述べたものではありません。
この記事では推測を事実として書かないので、理由については「公式には説明されていない」とだけ記載します。
ただし、理由そのものは不明でも、沖縄県の住宅市場が本土と根本的に違うことは公的な統計ではっきり出ています。次からはそちらを見ていきます。
沖縄の木造率は3.5%。全国は54.0%
沖縄の家づくりを理解するうえで、最も重要な数字がこれです。
令和5年住宅・土地統計調査による、沖縄県の住宅の構造別割合です。
| 構造 | 沖縄県 | 全国 |
|---|---|---|
| 木造 | 3.5%(21,700戸) | 54.0% |
| 鉄骨・鉄筋コンクリート造 | 93.8%(588,700戸) | 36.6% |
| 鉄骨造 | 1.3%(8,100戸) | 9.1% |
全国では住宅の半分以上が木造です。沖縄では3.5%しかありません。逆に鉄筋コンクリート造などが93.8%を占め、全国(36.6%)の2.6倍です。
一条工務店は木造住宅のメーカーです。沖縄では、そもそも木造という選択自体が主流ではないということになります。
ただし変化の兆しもあります。沖縄県の資料によると、2023年の調査では統計開始の1973年以降ではじめて木造の戸数が増加しました(前回比+1,900戸、+9.5%)。極端に少ない水準からではありますが、沖縄でも木造が増え始めています。
なぜ沖縄でRC造が主流なのか
この点は、単純化しないほうがよさそうです。
建築学会の論文(権藤智之ほか、2010年)では、戦後復興期に木造住宅が台風やシロアリで大きな被害を受けた一方、基地建設のために整備されたRC系の材料供給体制が民間工事にも活用され、コンクリートブロック造やRC造が急速に普及したと説明されています。
一方で琉球大学の研究(知念良之・芝正己、2015年)は「台風やシロアリ以外も十分に検討されるべき」として、琉球復興金融基金が木造より長い貸付期間をコンクリートブロック造に認めていたこと(木造8→15年に対しCB造10→20年)や、1964年のセメント工場操業といった経済的な要因を挙げています。
「沖縄がRC造なのは台風とシロアリのせい」と一言でまとめると、研究の指摘とずれます。気候だけでなく、戦後の経済・金融・資材供給の事情も重なった結果だと理解しておくのが正確です。
沖縄県は条例で、木造にだけ追加の規制をかけている
これは調べていて驚いた点です。沖縄県は建築基準法施行条例で、国の基準に上乗せして木造に固有の規制を課しています。
沖縄県建築基準法施行条例(昭和47年条例第83号)と、沖縄県土木建築部建築指導課の解説から、該当する条文を整理します。
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 第6条 | 最下階の居室の床が木造の場合、床の高さを直下の地面から50cm以上とし、外壁の床下部分に壁の長さ5m以下ごとに面積500cm²以上の換気孔を設ける |
| 第7条 | 木造建築物等の地面から1m以内の木造部分に、しろありその他の虫による害を防ぐ措置を講じなければならない |
| 第8条 | 階数2以上かつ延べ面積500m²超の木造建築物の構造耐力上主要な部分に、しろありによる害を防ぐ措置を講じなければならない |
第6条について、県の解説には「高温多湿である沖縄県の気候に対応した規定となっています」と明記されています。
第7条・第8条については、解説に「政令第49条第2項の規定による措置に加え」とあります。つまり国の基準に沖縄県が独自に上乗せしているということです。
沖縄でイエシロアリの生息が確認されていることは、国立環境研究所の侵入生物データベースでも「琉球列島」を含む分布として記載されています。また森林総合研究所の報告では、フラット35の仕様書における防蟻地域区分で沖縄は最も厳しい区分に分類されています。
木造で建てるなら、本土にはない条例上の要件が加わる。これは沖縄の家づくりの実務的な前提です。
沖縄の気候は「寒くない」。暖房設備の価値がまるで違う
一条工務店の最大の売りは全館床暖房です。公式サイトでは全モデルに対応と記載されており、「生活スペースのほぼ100%をカバー」と説明されています。
しかし沖縄では、この設備の前提が成り立ちません。
気象庁の平年値(1991〜2020年)で、那覇・東京・青森を比べます。
| 指標 | 那覇 | 東京 | 青森 |
|---|---|---|---|
| 年平均気温 | 23.3℃ | 15.8℃ | 10.7℃ |
| 1月の平均気温 | 17.3℃ | 5.4℃ | −0.9℃ |
| 1月の日最低気温平均 | 14.9℃ | 1.2℃ | −3.5℃ |
| 冬日(最低0℃未満)の日数 | 0.0日 | 15.2日 | 102.5日 |
| 熱帯夜(最低25℃以上)の日数 | 107.3日 | 17.8日 | 0.6日 |
| 真夏日(最高30℃以上)の日数 | 102.5日 | 52.1日 | 14.7日 |
| 年平均相対湿度 | 73% | 65% | 75% |
那覇は冬日が平年値でゼロです。1月でも日最低気温の平均が14.9℃あります。
一方で熱帯夜は年107.3日。東京の6倍です。ただし猛暑日(最高35℃以上)は那覇0.2日に対して東京4.8日なので、「猛烈に暑い」というより「暑さが途切れない」気候だと言えます。
暖房費のデータでも裏付けられる
総務省の家計調査(2023〜2025年平均、二人以上の世帯)による灯油の年間支出です。
| 都市 | 灯油の年間支出 | 数量 |
|---|---|---|
| 青森市(1位) | 92,401円 | 817.11L |
| 全国平均 | 15,094円 | 133.07L |
| 那覇市(50位) | 2,203円 | 16.79L |
那覇市の灯油支出は青森市の約42分の1です。数量では51都市中の最下位でした。
暖房にほとんどお金を使わない地域で、全館床暖房を主力とするメーカーの価値をどう評価するか。ここは沖縄の読者にとって、そもそもの前提が本土と違う部分です。
なお一条工務店には「さらぽか空調」という全館冷房・除湿の設備もあり、公式サイトでは「外気を冷やして除湿しながら換気」「真夏でも快適な空気環境を叶える」と説明されています。高温多湿の沖縄と相性が良さそうな設備ではありますが、対応商品はグラン・スマート、アイ・スマート、アイ・キューブ、ナチュリアに限られます。いずれにせよ沖縄では建築自体ができないため、選択肢に入りません。
沖縄は台風の接近数が本土全体を上回る
気象庁の台風の平年値(1991〜2020年)による、地方別の年間接近数です。
| 地方 | 年間接近数 |
|---|---|
| 沖縄 | 7.7個 |
| 本土計 | 5.8個 |
| 九州北部 | 3.8個 |
| 関東甲信 | 3.3個 |
| 東北 | 2.7個 |
| 北海道 | 1.9個 |
沖縄1地方だけで、本土全体の接近数(5.8個)を上回ります。関東甲信の2.3倍です。
なお気象庁の定義では「接近」は台風の中心が沖縄県のいずれかの気象官署等から300km以内に入った場合を指します。
最大瞬間風速の歴代全国ランキングでも、沖縄の観測地点が上位を占めます。1位は富士山(91.0m/s)ですが、平地の観測地点では宮古島の85.3m/s(1966年)が事実上の全国最高です。与那国島81.1m/s(2015年)、那覇73.6m/s(1956年)、石垣島71.0m/s(2015年)と続きます。
一条工務店の公式サイトには「風速90m/秒の暴風に耐える、『強化ガラス』」という記載があります。ただしこれは窓(強化ガラス)の性能値であって、建物全体の耐風性能を示すものではありません。混同しないよう注意してください。住宅性能表示の耐風等級について、公式ページ内に記載は見つかりませんでした。
沖縄は8地域。「断熱等級7」という指標が存在しない
ここは制度の話なので、少し細かくなります。
省エネ基準の地域区分で、沖縄県は全市町村が8地域です(国土交通省告示第265号 別表第10)。8地域に該当するのは、全国で沖縄県の41市町村と、東京都小笠原村、鹿児島県の奄美群島12市町村だけです。
そして8地域には、本土と決定的に違う点があります。
| 地域区分 | UA値の基準 W/(m²・K) | ηAC値の基準 |
|---|---|---|
| 1・2地域 | 0.46 | 定めなし |
| 3地域 | 0.56 | 定めなし |
| 4地域 | 0.75 | 定めなし |
| 5〜7地域 | 0.87 | 3.0〜2.7 |
| 8地域(沖縄県全域) | 基準なし | 6.7 |
8地域はUA値(外皮平均熱貫流率)の基準そのものが法令上定められていません。これは俗説ではなく、省令の表で該当欄が「―」になっています。評価方法基準の本文でも、8地域についてはUA値の基準を適用対象から明示的に除外しています。
かわりに使うのがηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)です。冬の熱の逃げにくさではなく、夏の日射の入りにくさで評価するということです。
さらに断熱等性能等級についても、8地域は等級7の設定がありません。制度上の最高は等級6です。
つまり本土でよく語られる「UA値がいくつ」「断熱等級7が標準」といった指標は、沖縄では成立しない、あるいは意味が変わります。一条工務店が寒冷地向けに訴求している断熱等級7も、沖縄では制度上そもそも存在しない等級です。
沖縄で高性能な家を考えるなら、断熱よりも日射遮蔽と除湿が主戦場になる、ということが制度の設計からも読み取れます。
沖縄に対応している大手ハウスメーカーは限られる
一条工務店だけが沖縄を避けているわけではありません。本土の大手8社について、公式サイトで沖縄県内の展示場・拠点の有無を確認しました。
| メーカー | 沖縄での展示場 |
|---|---|
| パナソニック ホームズ | あり(那覇新都心・アワセベイの2ヶ所) |
| 大和ハウス工業 | 沖縄支店はあるが注文住宅の展示場は0件 |
| 積水ハウス | 一覧に沖縄の項目なし |
| 住友林業 | 該当なし |
| セキスイハイム | 該当なし |
| ミサワホーム | 0件 |
| 三井ホーム | 0件 |
| ヘーベルハウス | 営業エリアが23都府県限定 |
展示場が確認できたのはパナソニック ホームズのみでした。
ただしこれは「公式の展示場・拠点一覧に掲載がない」ことの確認であって、各社が沖縄での受注可否を明示しているわけではありません。また大和ハウスについては公式サイトが機械的なアクセスを遮断していたため、アーカイブ版での確認です。
いずれにせよ、沖縄では本土の大手木造メーカーという選択肢が実質的にかなり狭い、という構図は見て取れます。地元の建設会社がRC造で建てるのが主流という市場構造とも整合します。
【詳細】沖縄の注文住宅の相場
住宅金融支援機構の2024年度フラット35利用者調査による、注文住宅の数値です。
| 項目 | 沖縄県 | 全国 |
|---|---|---|
| 建設費 | 3,587.1万円 | 3,932.1万円 |
| 住宅面積 | 108.2m² | 118.5m² |
| 敷地面積 | 246.8m² | 329.7m² |
| 世帯年収 | 549.9万円 | 652.5万円 |
| 件数 | 31件 | 3,272件 |
建設費は全国より約345万円低いものの、住宅面積も約10m²小さく、世帯年収は約103万円低いという結果です。面積が小さいぶん総額が下がっている面があるので、単純に「沖縄は安い」とは読めません。
なおサンプル数が31件と少ないため、単年の数値の振れは大きくなります。目安として見てください。
【詳細】沖縄の住宅事情と電気料金
持ち家率は全国最下位
令和5年住宅・土地統計調査による沖縄県の数値です。
- 持ち家住宅率 42.6%(全国60.9%)で全国最下位。50年間で25.6ポイント低下
- 共同住宅率 60.9%(全国44.9%)で東京都に次いで全国2位
- 一戸建て 37.4%
- 総住宅数の増加率7.2%は全国最高、空き家率9.4%は全国で2番目に低い
戸建てより集合住宅が主流という点も、本土との大きな違いです。
電気料金は本土より高い
沖縄電力と東京電力エナジーパートナーの従量電灯の単価を比べます。
| 区分 | 沖縄電力 | 東京電力EP |
|---|---|---|
| 第1段階 | 40.20円/kWh | 29.80円/kWh |
| 第2段階 | 45.74円/kWh | 36.40円/kWh |
| 第3段階 | 47.72円/kWh | 40.49円/kWh |
電力量料金は全段階で沖縄電力が上回ります。ただし料金体系(基本料金・最低料金の扱い)が異なるため、単価だけの単純比較には限界があります。燃料費調整額や再エネ賦課金も別途かかります。
沖縄電力は高コスト構造の理由について、「小規模独立系統のため、高い供給予備力が必要」「原子力や水力の開発が困難であり、化石燃料に頼る電源構成」「本土の電力系統と連系されておらず、広域融通の枠外」と説明しています。2024年度の電源構成は石炭60%、LNG22%、石油11%で、化石燃料が93%を占めます。
一方で家計調査では、那覇市の電気代の年間支出は138,848円(全国35位)、使用量は4,157.0kWh(46位)と、全国平均(149,965円・4,823.4kWh)より少なくなっています。単価は高いが暖房需要がないぶん使用量が少ない、という構造です。
まとめ:沖縄では建てられない。でも前提を知る価値はある
この記事の要点をまとめます。
- 沖縄県は一条工務店の営業対象外。公式が拠点数を「沖縄県・高知県を除く全国約510拠点」と記載しており、展示場0ヶ所、エリアページも404。対象外は沖縄県と高知県の2県のみ
- 対象外の理由は公式に一切説明されていない。台風・シロアリ・塩害説は公式見解ではない
- 沖縄の木造率は3.5%(全国54.0%)。RC造等が93.8%を占める。ただし2023年に統計開始以来はじめて木造戸数が増加した
- 沖縄県は条例で木造に上乗せ規制。床高50cm以上・換気孔の設置、地面から1m以内のシロアリ対策などを義務付けている
- 那覇は冬日ゼロ、熱帯夜107日。灯油支出は青森市の約42分の1。全館床暖房を主力とする商品構成とは前提が合わない
- 台風接近は年7.7個で本土全体(5.8個)を上回る
- 沖縄は8地域でUA値の基準自体が存在せず、断熱等級7という等級も制度上ない。断熱より日射遮蔽と除湿が主戦場
- 本土大手8社のうち沖縄に展示場があったのはパナソニック ホームズのみ
沖縄で家を建てるなら、本土の情報をそのまま持ち込まないことが大事だと感じました。「UA値」「断熱等級7」「全館床暖房」といった、本土の家づくりで当たり前に語られる指標が、沖縄では意味を持たなかったり、制度上そもそも存在しなかったりします。
一条工務店を検討していた方には残念な結論になりますが、建てられないものを勧めるより、前提が違うことを正確にお伝えするほうが役に立つと考えてこの記事を書きました。
なお、一条工務店の性能そのものに興味がある方向けに、当ブログでは仕様や判断の記事を書いています。本土に家を建てる予定がある方は参考にしてください。
参考にした一次情報
この記事の数値は、以下の一次情報から取得しています。施主ブログやまとめサイトの数値は使用していません。
- 一条工務店公式 会社概要、展示場を探す、全館床暖房、さらぽか空調
- 気象庁 過去の気象データ検索 平年値(那覇)、台風の平年値、歴代全国ランキング
- 国土交通省 地域区分(告示第265号 別表第10)、評価方法基準
- e-Gov 建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令
- 沖縄県 建築基準法施行条例の解説、令和5年住宅・土地統計調査 沖縄県結果の要点
- 総務省統計局 家計調査 品目別都道府県庁所在市ランキング
- 住宅金融支援機構 2024年度フラット35利用者調査
- 国立環境研究所 侵入生物データベース イエシロアリ
- 沖縄電力 単価一覧表、経営参考資料集 2025年11月
よくある質問
- 沖縄県で一条工務店の家は建てられますか?
- 建てられません。一条工務店の公式サイトの会社概要では、拠点数を「沖縄県・高知県を除く全国約510拠点、47工場・物流拠点」と記載しています。沖縄県には展示場が1ヶ所もなく、他県にはある都道府県別のエリアページも沖縄県だけは存在せず404になります。営業対象外なのは沖縄県と高知県の2県です。
- 一条工務店が沖縄県を対象外にしている理由は公表されていますか?
- 公表されていません。会社概要・グループ会社ページ・展示場検索など公式サイト内を確認しましたが、理由を説明したページは見つかりませんでした。台風・シロアリ・塩害・物流コストなどの理由が語られることがありますが、いずれも一条工務店の公式見解として確認できるものではありません。
- 沖縄県で木造住宅は一般的ですか?
- 一般的ではありません。令和5年住宅・土地統計調査によると、沖縄県の住宅のうち木造は3.5%で、全国の54.0%と大きく異なります。鉄骨・鉄筋コンクリート造が93.8%を占めます。ただし2023年の調査では、統計開始の1973年以降ではじめて木造の戸数が増加しました。
- 沖縄県は省エネ基準の何地域ですか?断熱等級7は取れますか?
- 沖縄県は全市町村が8地域です。8地域はUA値(外皮平均熱貫流率)の基準そのものが法令上定められておらず、冷房期の日射熱取得率であるηAC値で評価します。断熱等性能等級も8地域では等級7の設定がなく、制度上の最高は等級6です。本土向けの「断熱等級7」という指標は沖縄では成立しません。
- 沖縄県では一条工務店の紹介制度は使えますか?
- 使えません。紹介制度そのものに沖縄県を除外する記載は公式にはありませんが、そもそも沖縄県は建築の対象外なので制度を使う前提が成立しません。沖縄県内での新築を検討している場合、一条工務店は選択肢に入らないと考えてください。