【一条工務店】太陽光FIT完全解説|売電24円→8.3円で5年目の崖と一条限定の卒FIT後の受け皿
「一条の太陽光って13kWも載せるのに、売電はなんで住宅用なの?」
一条工務店で太陽光を検討していると、どこかで引っかかるところだと思います。しかもその売電、5年目に単価がほぼ3分の1になることはご存じでしょうか。
この記事では、一条の太陽光13.475kWがFIT申請上「10kW未満(住宅用)」に収まる仕組みから、2026年度の売電単価が5年目に急落する理由、売るより使う判断に切り替わるタイミング、そして10年の売電期間が終わった後に一条オーナーだけが使える受け皿まで、公式情報だけで一本の線に整理します。
私(ろれさん)は2026年8月時点でまだ建築中・未入居です。実際の売電実績はまだお伝えできないので、この記事は制度と公式情報の整理という立場で書いています。
この記事の内容は動画でも解説しています(クリックで再生)
30秒でわかるこの記事の結論
| 論点 | 結論 |
|---|---|
| 売電が3分の1に落ちる時期 | 運転開始から5年目 |
| 2026年度の単価 | 1〜4年目 24円 → 5〜10年目 8.3円 |
| なぜ13.475kWでも住宅用か | FITの区分はパネルとパワコンの「小さい方」で決まるから |
| 5年目以降どうするか | 売る(8.3円)より自分で使う(浮く30円前後)方が得 |
| 蓄電池の役割 | 売電を増やす道具ではなく、買う電気を減らす道具 |
| 途中でFITをやめられるか | 原則できない(自家消費を増やすのは自由) |
| 10年後(卒FIT後) | 一条オーナー限定の買取サービス「一条でんき」がある |
今日のアジェンダ
この記事は次の4つの順番で解説します。
- 一条の家の売電は10年で終わる(13.475kW載せても住宅用になる仕組み)
- 5年目に単価が3分の1になる(2026年度の階段型FIT)
- だから5年目以降は「売る」より「使う」
- 10年後、一条オーナー限定の受け皿がある(一条でんき)
一条の家の売電は10年で終わる
まず、太陽光の売電の基本から確認しておきます。太陽光でつくった電気は、まず自分の家で使います。そのうえで余った分だけを、電力会社が買い取ってくれる仕組みです。この買取価格は国が決めていて、決まった単価で10年間ずっと買ってもらえます。この仕組みが**FIT(固定価格買取制度)**で、住宅用の買取期間は10年間です。
ここで引っかかるのが、一条工務店の太陽光です。一条は屋根いっぱいにパネルを載せる設計で、公式の試算条件では13.475kWという数字になっています。曇りや冬など発電量が落ちる条件でも、パワーコンディショナ(パワコン)の上限近くまで発電できるよう、多めに載せて備えているためです。
13kWも載せているのに、それでも売電期間は10年です。理由は、FITの申請区分は太陽光パネルではなく、パワコン側の出力で決まるからです。
資源エネルギー庁の資料「太陽光発電設備の発電出力の考え方について」には、こう書かれています。
太陽光発電設備における発電出力については太陽光パネルの合計出力とパワーコンディショナーの出力のいずれか小さい方の値を申請することとなっています
一条はパネルを最大まで載せつつ、パワコン側の出力を10kW未満に収めています。つまり「たくさん載せて、申請は住宅用に収まっている」という組み合わせです。
| パネル | パワコン | 申請上の設備容量 |
|---|---|---|
| 13.475kW | 10kW未満 | 10kW未満(パワコン側が採用される) |
一条工務店の公式サイトにある試算条件にも、こう明記されています。
固定価格買取期間=当初4年間24円/kWh、5~10年目8.3円(申請の出力区分が10kW未満)、期間終了後=7円/kWh
(出典: 一条工務店「大容量太陽光発電 & 長寿命蓄電池」の試算条件。太陽光13.475kW・蓄電池7.04kWhでの試算)
なお「パワコン側を意図的に10kW未満に設計している」という狙いは一条の公式情報に明記がないため、ここでは「収まっている」という結果ベースで理解しておくのが正確です。またこれは法律の条文で定められたものではなく、認定申請における出力の算定ルールという位置づけです。
5年目に単価が3分の1になる(今日いちばん大事なところ)
ここが今回いちばん伝えたいポイントです。FITの10年間、単価はずっと同じではありません。
2026年度の住宅用(10kW未満)の売電単価はこうなっています。
| 区分 | 期間 | 単価 |
|---|---|---|
| 前半 | 1〜4年目 | 24円/kWh |
| 後半 | 5〜10年目 | 8.3円/kWh |
(出典: 資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2026年度以降)」)
24円から8.3円なので、ほぼ3分の1です。しかもじわじわ下がるのではなく、5年目に段差でストンと落ちます。
これは制度の欠陥ではなく、意図的な設計です。国は「初期投資支援スキーム」と呼んでいて、前半に厚く配分することで投資の回収を早める狙いがあります。総額を増やしたわけでも減らしたわけでもなく、受け取るタイミングを前に寄せた形、という理解が正確です。
いくつか、間違えやすいポイントを補足しておきます。
- 24円が適用される「1〜4年目」は、運転を開始した日が起点です。認定日でも年度単位でもありません
- 単価は「認定を受けた年度」のものが10年間そのまま適用されます。売る年の単価ではありません。これから建てる方は、自分が認定を受ける年度の価格表を確認してください
5年目からは「売る」より「使う」
5年目以降、単価が8.3円まで下がると聞くと不安になりますよね。でも、見方を変えれば5年目からは考え方を切り替えるタイミングでもあります。売ることから、使うことへ、です。
5年目以降に1kWhを売ると、もらえるのは8.3円です。同じ1kWhを自分の家で使えば、その分だけ電気を買わずに済みます。買う電気の単価はプランにもよりますが30円前後なので、同じ1kWhでも3倍以上の差がつくことになります。
| 1kWhをどうするか | 5年目以降の価値 |
|---|---|
| 売る | 8.3円もらえる |
| 自分で使う | 30円前後の買電を避けられる |
だから蓄電池の意味も、時期によって変わってきます。蓄電池は「売電を増やす道具」というより、「買う電気を減らす道具」と捉えるのが正確です。その捉え方をすると、蓄電池が本領を発揮するのは5年目以降になります。
FITは原則、途中で売り先を変えられない
「単価が下がったなら、もっと高く買ってくれる会社に変えればいい」——自然な発想ですが、FITは途中で抜けられない制度です。禁止なのは売り先を変えることであって、自家消費を増やすことは制限されていません。自家消費を増やすのは自由なので、そこは安心してください。
10年後、一条オーナー限定の受け皿がある
10年の買取期間が終わると、いわゆる卒FITです。国の固定価格から外れて、各社が自由に決めた単価での買取になります。先に言っておくと、10年後の価格はまだ決まっていません。今わかるのは、現時点の相場だけです。
現時点の相場感は、だいたい9円前後です。東京電力エナジーパートナーの卒FITプラン(再エネ買取標準プラン)は8.50円/kWh(税込)で、これは一次情報として確認できる数字です。24円と比べると、ずいぶん下がります。
そこで一条オーナーには専用の選択肢があります。一条でんきという買取サービスです。一条工務店と出光興産が組んで提供しているサービスで、「一条工務店の住宅にお住まいのお客様限定」と公式に明記されています。一条で建てた人だけが使えるサービスです。
ろれさんの埼玉(東京エリア)だと、単価は2種類あります。
| エリア | 買取のみ | 電気とセット |
|---|---|---|
| 北海道・東北・東京・中部・北陸(埼玉はここ) | 9.5円 | 11.5円 |
| 関西・中国・四国 | 9.5円 | 10.5円 |
| 九州 | 7.5円 | 9.5円 |
(出典: 一条でんき powered by idemitsu 公式・2026年度税込価格)
買取だけをお願いする場合は9.5円、電気の契約もセットにすると11.5円まで上がります。ただし、セットが得かどうかは自分で確かめてほしいところです。公式にも「おトクにならない場合がある」と明記されている通り、買取単価が高くても電気代そのものが高ければ意味がありません。今の電気料金と並べて、自分で比べるのが確実です。
埼玉以外の方は、エリアで単価が異なるので自分のエリアを公式で確認してください。また単価は毎年見直されるため、今回紹介した数字は今のものであり、10年後の約束ではありません。
ろれさんに紹介をお願いする【詳細】10kW未満と10kW以上(屋根設置)の違い
ここからは、より詳しく知りたい方向けの補足です。
一条の太陽光は住宅用(10kW未満)の区分ですが、もし10kW以上になるとどう変わるのか並べてみます。
| 項目 | 10kW未満(住宅用) | 10kW以上(屋根設置) |
|---|---|---|
| 買取期間 | 10年 | 20年 |
| 2026年度の単価 | 24円(〜4年)→8.3円(5〜10年) | 19円(〜5年)→8.3円(6〜20年) |
| 自家消費30%以上の要件 | 対象外 | 10〜50kWは要件あり |
| 扱い | 住宅用 | 事業用 |
10〜50kWには「地域活用要件」という自家消費30%以上のルールがあります。ここは誤解されやすい点ですが、「屋根設置なら自家消費30%要件が免除される」という説明は誤りです。免除されるのは別の入札制度(250kW以上が対象で屋根設置は対象外)であり、一条がこの要件と無関係なのは屋根置きだからではなく、単に10kW未満だからです。
【詳細】途中でFITをやめることはできない
資源エネルギー庁のリーフレット「屋根設置太陽光発電の初期投資支援スキーム」には、こう書かれています。
原則として、再エネ特措法に基づく認定を受けた事業は、認定発電設備を廃止(撤去及び処分)しない限り、FIT/FIP制度から離脱することは認められていません。
これはFIT全般に共通するルールであり、「階段型だから抜けられない」わけではありません。階段型の適用を受ける案件については、調達期間中に特定契約によらない売電ができない旨の条件付き認定が行われる、という形でこのルールが明文化されています。
一方で、自家消費を増やすこと自体は制限されていません。禁止されているのは「他の買取業者に売ること」であって、自宅で使う電気を増やすのは自由です。ただし蓄電池などの設備を追加する場合は、変更認定申請や変更届出が必要になるケースがあるため、後付けを検討する際は手続きの要否を確認してください。
まとめ
- 一条の太陽光は13.475kW載せても、FITの申請区分はパネルとパワコンの小さい方で決まるため、パワコン側が10kW未満に収まっていれば住宅用(買取期間10年)のまま
- 2026年度の住宅用売電単価は1〜4年目24円、5〜10年目8.3円の階段型。5年目にほぼ3分の1へ落ちる(初期投資支援スキームという意図的な設計)
- 単価は「認定を受けた年度」のものが10年間適用される。24円の起点は「運転を開始した日」
- 5年目以降は売電8.3円より自家消費(浮く電気代30円前後)の方が3倍以上お得。蓄電池は「買う電気を減らす道具」として後半に効いてくる
- FITは原則、認定期間中に売り先を変更できない(自家消費を増やすのは自由)
- 10年の買取期間終了後(卒FIT後)は、一条工務店と出光興産が提供する「一条でんき」が一条オーナー限定で使える。埼玉エリアなら買取のみ9.5円、電気とセットで11.5円
13.475kWと10kW未満が同居している理由は、「たくさん載せて、申請は住宅用に収める」という組み合わせでした。仕組みがわかれば、5年目の段差も、卒FIT後の受け皿も、同じ話の続きとして見えてきます。
太陽光の搭載量そのものの考え方は太陽光の最大積載量を狙う理由、蓄電池を2台にするかの判断は東京都なら蓄電池2台が正解?、EVと組み合わせるV2Hについては一条工務店でV2Hは必要?で解説しています。
ろれさんに紹介をお願いする参考にした一次情報
- 資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2026年度以降)」 https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/fit_kakaku.html
- 資源エネルギー庁「太陽光発電設備の発電出力の考え方について」 https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/dl/120710_sun.pdf
- 資源エネルギー庁「屋根設置太陽光発電の初期投資支援スキーム」 https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/data/shokitoushi.pdf
- 資源エネルギー庁「事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)」 https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/dl/fit_2017/legal/guideline_solar.pdf
- 調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」 https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/20260205_1.pdf
- 東京電力エナジーパートナー「再エネ買取標準プラン」 https://www.tepco.co.jp/ep/renewable_energy/plan/standard.html
- 一条工務店「大容量太陽光発電 & 長寿命蓄電池」 https://www.ichijo.co.jp/technology/energy/solar/
- 一条でんき powered by idemitsu「太陽光買取サービス」 https://denki.idemitsu.com/kt/ichijo/kaitori/
よくある質問
- 一条工務店の太陽光は13.475kWあるのに、なぜFITは10kW未満の住宅用なのですか?
- FITの申請では、太陽光パネルの合計出力とパワーコンディショナの出力のうち小さい方を設備出力として申請するルールになっています。一条はパネルを13.475kWまで載せますが、パワコン側の出力が10kW未満に収まっているため、申請上は住宅用(10kW未満)の区分になります。一条の公式試算にも「申請の出力区分が10kW未満」と明記されています。
- 一条工務店の売電単価は2026年度でいくらですか?
- 2026年度の住宅用FIT(10kW未満)は、運転開始から1〜4年目が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWhの階段型です。ちょうど3分の1ほどに下がります。この単価は認定を受けた年度のものが10年間そのまま適用されるため、これから建てる方は自分が認定を受ける年度の価格を確認してください。
- 5年目以降は売電と自家消費、どちらが得ですか?
- 5年目以降に1kWh売ると8.3円ですが、同じ1kWhを自宅で使えば、プランにもよりますが30円前後の電気代を浮かせられます。単純計算で3倍以上の差になるため、5年目以降は自家消費を優先する考え方が合理的です。蓄電池も「売電を増やす道具」ではなく「買う電気を減らす道具」として、5年目以降に本領を発揮します。
- FITの単価が下がったら、途中で他社に売り先を変更できますか?
- できません。FITは原則として、認定期間中に設備を撤去しない限り売り先を変更することは認められていません。これは階段型だからではなく、FIT制度全般に共通するルールです。なお自家消費を増やすこと自体は制限されていないため、蓄電池などで自宅消費を増やすのは自由です。
- 一条工務店の太陽光は10年後(卒FIT後)どうなりますか?
- FITの10年が終わると国の固定価格から外れ、各社が独自に設定した単価での買取になります。一条工務店と出光興産が提供する「一条でんき」は一条の住宅に住んでいる人限定の買取サービスで、埼玉エリアの場合は買取のみ9.5円、電気契約とセットなら11.5円です(2026年度・単価は毎年見直し)。参考として東京電力エナジーパートナーの卒FITプランは8.50円です。