高断熱の家の住みこなし方25のコツ|国の住まい方ガイドを一条工務店の家で実践する
「せっかく高断熱の家を建てたのに、夏は暑いし冬は寒い」——これ、家そのものより住み方が原因のことが多いんです。高性能な家は、従来の家とは暖め方・涼み方のコツが変わります。
実は国土交通省が編集協力した『住まい方ガイド』という無料PDFが、その住みこなし方を25のポイントにまとめてくれています。ただ28ページもあって全部読むのは大変。そこでこの記事では、要点を「日射し・暖冷房・空気・災害」の4視点+もうひと工夫で整理し、一条工務店の設備とどう噛み合うかまで紐づけて解説します。
この記事の内容は動画でも解説しています(クリックで再生)
元になった国の資料はこれ(無料で読めます)
この記事と動画が参照しているのは、次の公的資料です。
省エネ性能に優れた断熱性の高い住宅を住みこなす 住まい方ガイド 〜高機能な住宅の性能を発揮させる25のポイント〜 発行: 一般社団法人 環境共生住宅推進協議会/編集協力: 国土交通省 住宅局(令和6年3月発行) PDF: https://www.kkj.or.jp/contents/build_hojyojigyo/report/R05_howtolive-guidebook.pdf
対象は断熱等性能等級6以上の高断熱住宅です。一条工務店のグラン・スマートやアイ・スマートは断熱等級7が標準なので、まさにこのガイドが想定している家に当てはまります。
なお、この資料は一条工務店を名指ししているわけではありません。あくまで「国が推奨する住み方」と「一条の仕様」が結果的に噛み合う、という形で読んでください。
なぜ高断熱だと住み方が変わるのか
まず大前提から。昔の断熱が低い家は、暖房してもそばから熱がどんどん逃げていました。窓や壁が冷えて、足元だけ寒い「頭熱足寒」になりがちです。
一方で高断熱の家は熱が逃げないので、家中の温度差が小さくなります。暖房だけが熱源じゃなく、人や家電、太陽の熱まで活かせるのが特徴です。
ただし逆も真なりで、一度暖まると冷めにくいため、夏は熱の入れすぎに要注意。だから昔とは違う住みこなしのコツが要るわけです。
ここからは、この4つの視点+もうひと工夫の順に見ていきます。
視点1: 季節に応じた日射しのコントロール
熱が逃げない家は、日射しの管理こそが快適さの肝になります。ポイントは4つです。
| ポイント | 住みこなし方 |
|---|---|
| ① 夏の日射し | 冷房の大敵。窓からの日射しをしっかり遮る |
| ② 外出時 | 日除けを閉めて熱を室内に入れない |
| ③ 冬の日射し | 暖房の助っ人。日中は取り込み、夜は厚手カーテンで断熱を補う |
| ④ 春秋 | 太陽が中くらいの高さ。暑い日は遮り寒い日は取り込む |
日射しは「窓の外側」で遮るのが鉄則
ここが一番大事なポイント。日射しは窓の外側で遮らないと効果が薄いんです。
内側のカーテンだと、日射しの熱の約60%が室内に入ってしまいます。でも外側のすだれやブラインドなら、約20%まで抑えられます。同じ「遮る」でも、外と内でこれだけ違うんですね。
冬は逆に日射しが暖房の助っ人になります。日中はカーテンを全開にして日射熱で家中を暖め、夜は厚手のカーテンを閉めて窓の断熱を補うのがコツです。
一条の家の日射し対策と「軒の長さ」の注意点
一条工務店の家は窓自体が高性能(防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ)で、防犯ハニカムシェードも付きます。ただしハニカムは室内側の日除けなので、資料が推す「外側で遮る」とは力点が少し違います。夏の西日など外部遮蔽が要る場面は、すだれや外付けで補うイメージです。
そしてもう1つ、一条で建てるなら軒(庇)の長さを意識しておくのがおすすめです。
資料は「夏の日射しは軒や庇で遮るのが基本」と言っています。ところが一条はデザインや屋根形状の都合で軒があまり出ないこともあり、本当はもっと伸ばせるのに短い軒で設計されてしまうケースもあります。
軒が浅いと夏の高い日射しを窓の外で防げず、室内側のハニカム頼みになりがち。なので打ち合わせの段階で「軒をどこまで伸ばせるか」を確認しておくと、日射対策がぐっと効きます。意識しないと軒は短くなりがちなので、設計時のチェックポイントです。
視点2: 暖冷房機器を上手に運転する
ここは住み方の差が電気代に直結する視点です。ポイントは6つあります。
| ポイント | 住みこなし方 |
|---|---|
| ⑤ 連続運転 | 在宅時は風量「自動」で連続運転が最効率 |
| ⑥ 控えめ設定 | 高断熱は表面温度が安定し、控えめ設定でも快適 |
| ⑦ メンテナンス | フィルターは2週に1度、室外機まわりも手入れ |
| ⑧ 除湿 | 冷房で除湿が止まるなら「再熱除湿」を活用 |
| ⑨ 高湿時 | 外の湿度が高い日は窓を閉める |
| ⑩ 加湿 | 冬は乾燥しやすい。湿度40〜60%を目安に |
こまめに消すより「連続運転」が省エネ
「エアコンはこまめに消した方が省エネ」と思いがちですが、高断熱の家では逆です。エアコンは設定温度に達するまでが一番電力を使います。
だから一度強めで温度まで上げて、あとは風量自動でつけっぱなしにするのがコツ。高断熱の家は壁や床が冷えにくく、控えめな設定温度でも快適に過ごせます(体感温度は空気の温度と壁・床の表面温度の中間くらいになるため)。
一条で建てるなら「エアコンは小さめ」が正解
一条のような高断熱の家でエアコンを選ぶときは、ここが大事です。
家電量販店の畳数の目安は、断熱の低い古い家が基準になっています。なので高断熱だと、20畳のリビングでも10畳用で足りることが多いんです。
「大きい方が安心」と思いきや、これは逆効果。大きすぎるとすぐ設定温度に達して止まり、その間は除湿も止まるので、涼しいのに湿度だけ上がってしまいます。弱く安定して動ける小さめのエアコンの方が、高断熱の家とは相性がいいわけです。
梅雨に効く「再熱除湿」とろれさんのエアコン選び
高断熱の家は冷房が効きやすく、冷えすぎて除湿が止まりがち。そこで活躍するのが再熱除湿という機能です。
普通の除湿は冷たい風が出て室温が下がりすぎてしまいます。再熱除湿は冷やして水分を取った後、温め直してから戻すので、室温を下げずに湿気だけ取り続けられます。梅雨は気温が低いのに湿度が高いので、この機能が効くんですね。
ろれさんも、この再熱除湿を重視してダイキンのモデルを選びました。なお一条の全館床暖房に標準でつくRAYエアコンには再熱除湿がないため、別途エアコンを選ぶ判断もアリ、というのがろれさんの考え方です。
冬の乾燥対策としては、湿度40〜60%を目安に適度な加湿を。一条には、換気システムのロスガード90に全館加湿を足した「うるケア」というオプションもあります(ただし加湿しすぎは結露の元なので注意)。
視点3: 空間をつなげて気持ちいい空気を家中に
高断熱の家は、少ない台数のエアコンで家全体を空調できます。そのコツが「空間をつなげること」。ポイントは6つです。
| ポイント | 住みこなし方 |
|---|---|
| ⑪ ドアを開ける | 各部屋の扉を開け、家を一つながりにする |
| ⑫ 夏の攪拌 | サーキュレーターで冷気を家中に回す |
| ⑬ 冬の攪拌 | サーキュレーターを隅で真上に向け、上下の温度差を解消 |
| ⑭ 24時間換気 | 寒くても止めず常時運転する |
| ⑮ 通風 | 春秋は入口と出口の窓を開けて風を通す |
| ⑯ 排熱 | 熱がこもったら窓を開けるか換気の送風で逃がす |
各部屋のドアを開けて家を一つながりにすると、部屋ごとの温度差が小さくなります。夏はサーキュレーターをエアコンと同じ向きに置いて下にたまる冷気を攪拌、冬は部屋の隅で真上に向けて足元の冷気と天井の暖気を混ぜると、足元まで暖かくなります。これはヒートショックの予防にもつながります。
24時間換気の決定版が一条のロスガード90
24時間換気は、寒くても止めずに常時運転するのが正解。高断熱の家は熱交換型の換気が入っていて、熱を逃さず空気を入れ替えられるからです。これがまさに一条のロスガード90です。
ロスガード90は第一種の全熱交換型で、温度の交換効率は最大90%。温度だけでなく湿度も一緒に交換して、家中を新鮮に保ちます。資料が言う「常時運転すべき熱交換型換気」そのものですね。ただし給気口・排気口のフィルター掃除は定期的に行いましょう。
春や秋に外が気持ちいい日は、窓を開けて風を通すのもおすすめ。入口と出口の両方の窓を開けると、風の通り道ができます。
視点4: 災害時でも日常を維持する備え
高断熱の家は、実は災害にも強いんです。インフラが止まっても在宅避難がしやすい。ポイントは5つです。
| ポイント | 住みこなし方 |
|---|---|
| ⑰ 在宅避難 | 暖房が止まっても室温が急に下がらない |
| ⑱ 太陽光発電 | 自立運転機能で停電時の電源に(目安1,500Wまで・機種による) |
| ⑲ 蓄電池 | 夜や雨でも使える。台風前に充電・切替方法を確認 |
| ⑳ エネファーム | 電気とお湯を同時に作る。自立発電タイプは非常用電源に |
| ㉑ 給湯機 | 貯湯式(エコキュート等)はタンクの水を生活用水に |
熱が逃げない家は、暖房が止まっても室温が急に下がりません。夏は日射しを遮り、冬は日射しと人の熱で室温を保てます。
一条の家は「在宅避難できる家」
一条は屋根一体型の太陽光が大容量で、平均12kW級(2024年度実績)。大容量の蓄電池と合わせれば、家中で電気を使い続けられます。給湯はエコキュート(貯湯式)なので、タンクの水を非常時の生活用水としても使えます。
等級7の超高断熱と合わさって、まさに「家そのものが防災設備」と言える組み合わせです。なお太陽光の自立運転や蓄電池の自動切替は機種・条件によって変わるので、自分の家の仕様で確認しておきましょう。
もうひと工夫で1ランク上の快適さへ
最後に、1ランク上の快適さを目指す4つのコツです。
- 温湿度計を置く——まず家の温度と湿度を知ること。今の状態がわからないと調整のしようがありません。
- カーテンの付け方を工夫——レールを天井近くにして床まで下げると、冷えた空気が床に流れるのを防げます。
- 季節に合わせた服装——暑さ寒さの感じ方は人それぞれ。服で合わせれば設定温度を抑えられます。
- 落葉樹を植える——南や西に植えると、夏は葉が日射しを遮り冬は葉が落ちて日射しを通します。特に西日は軒だけでは防ぎきれないので植栽が効きます(視点1の軒の話とつながります)。
まとめ
国の住まい方ガイドが教えてくれるのは、「高断熱の家は住み方で性能が大きく変わる」ということ。要点をおさらいします。
- 日射しは窓の外側で遮る。夏は遮り、冬は取り込む。一条なら軒の長さを打ち合わせで意識する
- 暖冷房は連続運転+控えめ設定。エアコンは小さめが正解。梅雨は再熱除湿が効く
- 空気は家をつなげて攪拌。24時間換気(ロスガード90)は止めずに常時運転
- 災害には在宅避難。一条の大容量太陽光・蓄電池・エコキュートが備えになる
- もうひと工夫で温湿度計・カーテン・服装・植栽を組み合わせる
高断熱の家は、断熱等級7が標準の一条工務店のような家ほど、この住みこなし方がそのまま効きます。より詳しく知りたい方は、上で紹介した国の住まい方ガイドのPDFも無料なのでぜひ読んでみてください。
なお、一条工務店で建てると決めたなら、紹介制度を使うと最大35万円相当のオプションが無料になります。契約前の申し込みが条件なので、検討中の方は早めに確認しておくと安心です。
よくある質問
- 高断熱の家でエアコンはこまめに消した方が省エネですか?
- 逆です。高断熱の家ではエアコンの連続運転が一番効率的です。エアコンは設定温度に達するまでが一番電力を使うため、一度しっかり運転して温度まで上げたら、あとは風量自動でつけっぱなしにするのがコツです。30分程度の外出ならつけたままの方が省エネになります。
- 夏の日射しは窓の内側と外側、どちらで遮るのが効果的ですか?
- 外側で遮る方が圧倒的に効果的です。内側のカーテンだと日射熱の約60パーセントが室内に入ってしまいますが、外側のすだれやブラインドなら約20パーセントまで抑えられます。熱が逃げない高断熱の家ほど、入った日射しの熱がこもるので、窓の外で遮ることが重要です。
- 高断熱の家のエアコンは大きい方が安心ですか?
- 大きすぎると逆効果です。能力が過大だとすぐ設定温度に達して止まり、その間は除湿も止まるため、涼しいのに湿度だけ上がってしまいます。家電量販店の畳数の目安は断熱の低い古い家が基準なので、高断熱なら20畳のリビングでも10畳用で足りることが多く、弱く安定して動ける小さめのエアコンが相性良好です。
- この住まい方ガイドはどんな家が対象ですか?
- 断熱等性能等級6以上の高断熱住宅が対象です。一条工務店のグラン・スマートやアイ・スマートは断熱等級7が標準のため、このガイドが想定している住宅にそのまま当てはまります。