電気図面の打ち合わせで、コンセントを「USB付き」にするかどうかを聞かれて迷っていませんか。

ろれさんの電気図面には、USB付きコンセントは入っていません。 この記事では、付けなかった理由と、付けるならどう選ぶかを、現行製品の出力と価格(税抜)とあわせて整理します。

ろれさんは埼玉県で一条工務店の家を建築中で、まだ入居していません。 使ってみた感想ではなく、打ち合わせの段階でどう判断したかの記録です。

この記事の結論

論点結論
ろれさんの判断USB付きコンセントは付けず、普通のコンセントに充電器を挿す形にした
付けなかった理由規格が古くなる可能性、普通のコンセントより汎用性がない、電力を多く使う機器が多い
壁のコンセントの寿命交換の目安は約10年(パナソニック公表)
付けるならType-Aのみは避けて、Type-C付きを選ぶ。出力と注意点も確認する
USB付きコンセントを付けなかった3つの理由。1は規格が古くなる、2は普通のコンセントより汎用性がない、3は電力を多く使う機器が多い。結論は、普通のコンセントに充電器を挿す形にして、規格が変わったら充電器だけ買い替える

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コンセントの数と高さの決め方は、こちらの動画で解説しています。

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壁のコンセントは約10年、充電の規格は数年で変わっている

USB付きコンセントで迷うのは、壁に埋め込む器具の寿命と、充電の規格が変わる速さが合っていないからです。

パナソニックは、スイッチ・コンセントの寿命は使用状況で異なるものの、目安はおよそ10年と公表しています。 ろれさんの入居予定は2027年2月なので、10年後は2037年ごろです。

その間に、充電の規格は次のように変わってきました。

充電の規格の年表。2023年9月にiPhone 15がUSB-Cになる。2024年12月にEUが携帯電話やタブレットなどのUSB-C充電を義務化。2025年2月のiPhone 16e発表で販売中の新品iPhoneは全てUSB-Cに(報道による)。2026年4月にEUがノートPCも義務化。2027年2月がろれさんの入居予定。2028年12月にEUが充電器に少なくとも1つのType-Cポートを義務化。2037年ごろが入居から約10年で壁のコンセントの交換の目安

2023年からの約3年で、iPhoneの充電はUSB-Cになり、EUでは携帯電話やタブレットなどにUSB-Cが義務づけられました。 壁の器具の交換の目安である10年と比べると、規格が変わる間隔のほうがずっと短いことが分かります。

ろれさんがUSB付きコンセントを付けなかった3つの理由

ろれさんが付けなかった理由は3つあります。

1. 規格が古くなる可能性がある

USB付きコンセントのポートは、壁の中の器具に付いています。 充電の規格が変わっても、ポートだけを入れ替えることはできません。

Type-Aが使えなくなると決まったわけではありません。 EUの規則は、携帯電話などにUSB-C充電を義務づけるもので、Type-Aを禁止するものではありません。 Type-Aのみの住宅用コンセントも、パナソニックの現行ラインナップに載っています。

ただ、10年後にType-Aのポートを使う機器が身の回りに残っているかどうかは、ろれさんには分かりません。 10年後に使うか分からないポートを、交換の目安が約10年の壁に埋め込むのは避けたい、というのが理由です。

日本には、EUと同等のUSB-C義務化の規制は、調べた範囲では見つかりませんでした。

2. 普通のコンセントより汎用性がない

普通のコンセントなら、電源プラグのある機器をそのまま挿せます。 USB付きコンセントのUSBポートが使えるのは、USBで充電する機器だけです。

取り付けにも決まりがあります。 パナソニックの注意書きでは、USB付きコンセントだけを横に連ねる連接施工はしないこととされています。 連ねると温度が上がり、発熱や発火の原因になるためです。 上向きの取り付けもできません。

神保電器のUSB付きコンセントは、取り付けに深型のスイッチボックスが必要です。 壁の中の箱の深さまで関わるので、図面を決める段階での確認が増えます。

3. 電力を多く使う機器が多い

USB付きコンセントの出力は、製品によって違います。 Type-Aのみの製品は5Vで、PD(高速充電の規格)には対応していません。 Type-Cの製品は、18Wのものと、最大60Wのものがあります。

パナソニックは、USB PDに対応したノートPCやゲーム機が増えていると説明しています。 こうした電力を多く使う機器は、18Wの出力では足りないことがあります。

製品によっては、2ポートを同時に使うと出力が下がることも、パナソニックの注意書きにあります(WN1477は2ポート合計で3A)。 WN1477(Type-A+C)は、2ポート合計で3Aです。 機器やケーブルによっては、充電に時間がかかったり、満充電にならなかったりする場合があることも、同じ注意書きに記されています。

普通のコンセントに充電器を挿す形にすると変わること

ろれさんが選んだのは、普通のコンセントを用意して、そこに充電器を挿す形です。

USB付きコンセントと、普通のコンセントに充電器を挿す形の比較。USB付きは規格が変わったら器具ごと交換し、交換には電気工事士の資格が必要。普通のコンセント+充電器は規格が変わったら充電器を買い替えるだけ。壁のコンセントの交換の目安は約10年で、充電の規格は数年のうちに動いてきた

この形なら、USBの規格が変わったときに買い替えるのは充電器だけです。 出力が足りない機器が出てきたら、出力の大きい充電器を選べば済みます。 壁の中の器具には手を付けません。

ろれさんはV2Hを見送ったときにも、近い考え方をしました。 10年経てば新しい仕組みや制度が出てくるので、必要になったタイミングで買う。 今は要らないけれど将来必要かもしれないから買っておく、というやり方は、無駄が多くなりがちだと考えています。 V2Hの判断は、一条工務店でV2Hは必要?我が家が見送った理由にまとめています。

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パナソニックの現行USB付きコンセントの種類と価格

付けると決めた人のために、今売られているUSB付きコンセントを整理します。 パナソニックの住宅用では、Type-Aのみ、Type-A+C、Type-Cのみの3種類があります。

パナソニックの現行USB付きコンセントの比較表(税抜)。Type-Aのみ2ポートのWN1476は5VでPD非対応、7,600〜7,750円。Type-A+C 2ポートのWN1477はCが18WでPD対応、10,000〜10,150円。Type-Cのみ1ポートのWN14841Cは18WでPD対応、9,800〜9,950円。Type-Cのみ2ポートのWTL1488は最大60WでPD対応、20,900〜21,650円
タイプ品番出力価格(税抜)
Type-Aのみ(2ポート)WN14765V、PD非対応7,600〜7,750円
Type-A+C(2ポート)WN1477Cは18W、PD対応10,000〜10,150円
Type-Cのみ(1ポート)WN14841C18W、PD対応9,800〜9,950円
Type-Cのみ(2ポート)WTL1488最大60W、PD対応20,900〜21,650円

価格は全て税抜で、パナソニックの公式ラインナップ(2026年10月に確認)の数字です。 最大60Wの2ポート製品(WTL1488)は、18Wの製品(WN1477、WN14841C)の約2倍の価格です。

この表は市販のパナソニック製品の情報です。 一条工務店でUSB付きコンセントを選ぶ場合の品番や価格は、ろれさんは確認できていないため載せていません。 付けたい場合は、打ち合わせで設計担当に聞いてください。

USB付きコンセントを付けるなら確認する4つのこと

付けるなら、次の4点を確認します。 USB付きコンセントを選ぶこと自体は、間違いではありません。 コンセントの脇でケーブルだけで充電できて、便利な場面もあります。

USB付きコンセントを付けるなら確認する4つのこと。1はType-Aのみは避けてType-C付きにする。2はPD対応かどうかと出力のWを見る。3は連接施工をしない、上向きには付けられない。4は2ポートを同時に使うと出力が下がる製品がある
  1. Type-Aのみは避けて、Type-C付きにする。Type-A+C か、Type-Cのみから選びます。
  2. PD対応かどうかと、出力(W)を見る。Type-Cでも、18Wの製品と最大60Wの製品があります。
  3. 連接施工をしない。上向きにも付けられない。取り付ける位置を図面で確認します。
  4. 製品によっては、2ポートを同時に使うと出力が下がる。WN1477は2ポート合計で3Aです。

Type-Aのみを避ける理由は、1つ目の理由に書いたとおり、10年後にType-Aの機器を使っているかが分からないからです。 Type-A+Cなら、Type-Aの機器が手元に残っていても、Type-Cの機器と両方に対応できます。

新築のうちに決めておくこと

USB付きにするかどうかに関わらず、充電する場所のコンセントは新築のうちに決めます。 一条工務店は高気密の2×6工法なので、完成後に壁へ穴を開けてコンセントを増やすことはできません。 新築時の追加は、公式カタログで1か所3,410円です。

充電する場所に、普通のコンセントの数と高さを用意しておけば、USB付きでも充電器でも後から選べます。 数と高さの決め方はコンセント計画の記事、後付けできないものの仕分けは一条工務店で後付けできないオプションと後からでいいもので解説しています。


【詳細】製品ごとの出力と注意書き

ここからは、製品を比べたい人向けの細かい数字です。

パナソニックの注意書きは、次のとおりです。

  • USB付きコンセントだけの連接施工はしない(温度上昇による発熱・発火の原因)
  • 上向きに取り付けられない
  • 製品によっては、2ポートを同時に使うと出力が下がる(WN1477は合計3A)
  • 機器やケーブルによっては、充電に時間がかかる、満充電にならない場合がある

USB PD対応のType-C(18W)は、Type-Aの12Wと比べて、充電時間を約53%短縮できるとパナソニックは説明しています。

パナソニックの2021年のプレスリリースでは、USB付き埋込コンセントは3万回の抜き差しに対応し、1日10回の使用で約8年とされています。 メーカー保証は1年です。

神保電器のUSB付きコンセントは、次のとおりです(2024年4月のカタログ、税抜)。

タイプ品番出力価格(税抜)
Type-A 1ポートR37075,200〜5,400円
Type-A 2ポートR3701B5V 2.4A5,750円
Type-C 1ポートR3706PD最大18W8,700〜8,900円
Type-C+AR3704A2ポート合計で最大3A6,500〜6,700円

神保電器の製品は、取り付けに深型のスイッチボックスが必要です。

【詳細】EUの共通充電器の規則の中身

EUの共通充電器の規則(Directive (EU) 2022/2380)は、次の時期から適用されます。

時期内容
2024年12月28日から携帯電話、タブレット、デジタルカメラ、ヘッドホン、携帯スピーカー、携帯ゲーム機、電子書籍リーダー、キーボード、マウスなどにUSB-C充電を義務化
2026年4月28日からノートPCにも同じ義務
2028年12月14日から充電器は、少なくとも1つのUSB Type-Cポートを持つことが必要

規則が求めているのは、USB-Cを搭載してUSB PDで充電できることです。 Type-Aを禁止する記載はありません。 そのため、「Type-Aが使えなくなる」とは言えません。

iPhoneは、2023年9月発表のiPhone 15からUSB-Cになりました。 2025年2月のiPhone 16e発表で、iPhone 14とSEが販売終了となり、販売中の新品iPhoneは全てUSB-Cになっています。

【詳細】後から替えるときの注意

壁のコンセントの交換には、電気工事士の資格が必要です。 パナソニックも、電気工事士への相談を案内しています。

USB付きコンセントを付けたあとで規格が変わった場合、交換は電気工事士に頼む工事になります。 交換の費用は、器具の種類や工事の内容で変わるので、頼む前に見積もりで確かめてください。 一条工務店の家で交換するときの窓口や進め方は、ろれさんが未入居のため確認できていません。

まとめ

USB付きコンセントか、普通のコンセント+充電器かの比較。普通のコンセント+充電器はろれさんが選んだ形で、規格が変わったら充電器だけ買い替える。USB付きコンセントはType-C付きを選び、出力と注意点を確認する。どちらでも新築のうちに、充電する場所のコンセントの数と高さを用意する。追加は1か所3,410円
  • ろれさんはUSB付きコンセントを付けず、普通のコンセントに充電器を挿す形にしました。理由は、規格が古くなる可能性、普通のコンセントより汎用性がないこと、電力を多く使う機器が多いことです
  • 壁のコンセントの交換の目安は約10年です。充電の規格はその間に変わっています
  • Type-Aが使えなくなるとは決まっていません。10年後に使っているかが分からない、というのが判断の理由です
  • 付けるなら、Type-Aのみは避けてType-C付きを選び、出力と取り付けの注意書きを確認します

どちらを選んでも間違いではありません。 使う機器と、10年後の交換のしやすさで決めてください。

これから一条工務店の展示場に行く予定がある方は、訪問前に紹介制度を使うと特典が受けられます。 詳しくは一条工務店の紹介制度にまとめています。

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参考にした一次情報

iPhone 16e発表に伴うiPhone 14とSEの販売終了は、報道にもとづく情報です。 交換の目安、製品の価格、EUの規則の日付は、2026年10月に確認した内容です。 ろれさんの判断(USB付きコンセントを付けなかった理由)は、建築中のろれさん本人の考えです。

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