一条工務店で家を建てるろれさんの地盤改良費は、最初の資金計画書の846,800円から、最終見積の705,000円まで14万1,800円下がりました。

ろれさんは2025年6月に請負契約を結び、その後に地盤調査を受けました。調査前の地盤改良費は、地盤の状態がわからない段階の金額で、施工面積に応じて3段階に分かれていました。調査で「べた基礎+ソイルセメント柱状改良(施工長の目安3m)」と決まり、次の打ち合わせの見積から705,000円になりました。


まず結論

知りたいことろれさんの場合
地盤改良費846,800円 → 808,900円 → 705,000円(最終)
金額が確定したタイミング地盤調査(2025年6月)の後の見積から
調査結果4か所とも深さ2m前後まで軟弱層。べた基礎+ソイルセメント、施工長の目安3m
ベタ基礎442,400円(調査の前後で同額)。地盤改良と合わせて1,147,400円
ろれさんの地盤改良費。2024年10月の最初の資金計画書で846,800円、2025年3月から6月の契約時は808,900円、2025年6月の地盤調査の後は705,000円。調査前の見積どうしで37,900円、地盤調査の後で103,900円下がった

ろれさんの家は施工面積69.97㎡(約21坪)の平屋です。地盤改良費は土地の地盤と建物の大きさで変わるので、金額そのものより、調査の前と後で何が変わるのかを見てください。


地盤改良費が大きく下がったのは地盤調査の後

ろれさんの地盤改良費は、2024年10月の最初の資金計画書から2026年4月の最終承認までのあいだ、地盤調査の前と後で動き方が違いました。

ろれさんの地盤改良費のグラフ。地盤調査より前は846,800円、778,900円、808,900円と施工面積の違う案で上下し、2025年6月の地盤調査の後の9月の見積から最終承認まで705,000円で変わらない

調査前は、ろれさんが商品や間取りの案を変えるたびに、846,800円、778,900円、808,900円と上下しました。2025年6月12日に請負契約を結んだときの見積も808,900円で、この時点ではまだ地盤調査の結果は出ていませんでした。

地盤調査の報告書は2025年6月25日に届きました。次の2025年9月の打ち合わせの見積で705,000円になり、最終承認まで一度も変わりませんでした。

調査前の金額は施工面積で3段階に分かれていた

調査前の地盤改良費は、施工面積ごとに次の3段階でした。

施工面積ごとの地盤改良費とベタ基礎の表。60.45㎡から63.76㎡の案は地盤改良778,900円、66.24㎡から69.97㎡の案は808,900円、78.26㎡の最初の資金計画書は846,800円。ベタ基礎は383,800円から489,000円まで面積に合わせて変わる。調査後の69.97㎡は地盤改良705,000円、ベタ基礎442,400円
施工面積調査前の地盤改良費
60.45〜63.76㎡778,900円
66.24〜69.97㎡808,900円
78.26㎡846,800円
69.97㎡(調査後)705,000円

66.24㎡から69.97㎡までの案は、どれも808,900円でした。同じ69.97㎡の間取りでも、調査前は808,900円、調査後は705,000円です。調査前の地盤改良費は、地盤の状態ではなく建物の大きさに応じた金額でした。

最初の資金計画書との差14万1,800円のうち、3万7,900円は面積の違うプランどうしの差で、地盤調査の結果で下がった分は10万3,900円です。

ベタ基礎も面積に合わせて383,800円から489,000円まで変わっていますが、調査の前後では442,400円のままでした。調査で決まった基礎が「べた基礎」だったので、調査結果で決まり直したのは地盤改良の金額だけです。

なお、ろれさんの場合は下がりましたが、調査の結果しだいでは上がることもあります。

見積全体の内訳や坪単価は、一条工務店の坪単価を見積書で計算した記事で紹介しています。

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ろれさんの地盤調査の結果

一条工務店からは、地盤調査報告書のまとめとして「地盤カルテ」という1枚の資料が届きます。地盤カルテは、機械で測った試験データに加えて、地図や周辺の様子も合わせて判定しています。カルテには「無断で複写複製、転用はご遠慮ください」とあるため、この記事の図はカルテの内容を引用して描き直したものです。

一条工務店の地盤カルテの地盤分析の比重。地図・地名分析35%、地盤調査の試験データ30%、周辺観察15%、建物配置・外構計画など20%。ろれさんの土地は試験データで偏りはないが軟弱層があり、周辺観察で軟弱地盤の兆候が見られた

地盤分析の比重は、地図・地名分析が35%、試験データが30%、周辺観察が15%、建物配置・外構計画などが20%です。地形図や古い地図から土地の成り立ちを見る分析が、いちばん大きな比重を持っています。

ろれさんの土地についてのコメントは、試験データが「地盤状況の偏りはないが、軟弱層があるから注意が必要」、周辺観察が「周辺に軟弱地盤の兆候が見られる」というものでした。

4か所とも深さ2m前後まで軟弱層

調査では、家の4すみそれぞれで、専用の機械を使って地盤の硬さを測っていました。結果は4か所とも、地表から深さ2m前後までが軟弱層と想定される範囲(カルテのピンク色の表示)でした。

ろれさんの土地のスクリューウエイト貫入試験の結果を描き直した図。測定点A1・B1・D1は深さ0から約2m、C1は0から約1.75mが軟弱層。その下で地盤が硬くなり、約2.5mから2.75mで試験が終わっている。改良の目安3mの線
測定点軟弱層と想定される範囲試験が終わった深さ
A10〜約2m約2.75m
B10〜約2m約2.5m
C10〜約1.75m約2.5m
D10〜約2m約2.75m

軟弱層の下は急に硬くなり、深さ2.5〜2.75mあたりで試験が終わっています。4か所の深さがほぼそろっているので、カルテの「偏りはない」というコメントとも合います。

基礎選定の結果は「べた基礎+ソイルセメント、施工長(目安)3m」でした。地表から3m付近まで土の柱をつくり、軟弱層の下の硬い層まで届かせて建物を支える計画です。


地盤調査結果の読み方

一条の地盤調査は、スクリューウエイト貫入試験という方法で行われます。以前はスウェーデン式サウンディング試験と呼ばれていた方法で、結果のグラフは2つの数字で読みます。

スクリューウエイト貫入試験の読み方。1はおもりを段階的に最大1kN(約100kg)まで載せて沈むかを見る。Wswは沈んだときの重さ。2は1kNでも沈まなければ棒を回して25cm進む半回転数を数える。Nswは1mあたりの半回転数。Wswが1kN未満は自沈層でやわらかく、Nswが大きいほど硬い

1つ目はWsw(ダブリュー・エス・ダブリュー)で、棒に載せたおもりの重さです。おもりを最大1kN(約100kg)まで段階的に載せ、回さなくても沈むかを見ます。1kN未満で沈んだ層は「自沈層」と呼ばれ、載せただけで沈むほど軟らかい層です。

2つ目はNsw(エヌ・エス・ダブリュー)で、1kNでも沈まないときに棒を回して、1mあたり何回の半回転が必要だったかを表します。何回も回してやっと進む層ほど数字が大きく、硬い地盤です。

一条の地盤カルテでは、軟弱層と想定される範囲がピンク色で表示されます。ろれさんのカルテでは、ピンク色の範囲ではNswの棒グラフがほとんど出ておらず、その下で一気に伸びています。グラフに詳しくなくても、ピンクの深さを見れば、軟弱層がどこまで続くかがつかめます。


ソイルセメント柱状改良とは

ソイルセメントは、柱状改良と呼ばれる工法の一つです。地盤カルテの説明では、地中に柱状の改良体をつくり、建物を支えることで不同沈下(家の一部だけが沈んで傾くこと)を防ぐ工法とされています。

ソイルセメント柱状改良の模式図。べた基礎の下に土とセメント系固化材を混ぜた柱が並び、深さ約2mまでの軟弱層を貫いて硬い層まで届いている。施工長の目安3m。施工後は一軸圧縮試験で設計基準強度を確認

地中でセメント系の固化材を土と混ぜ、土の柱をつくります。柱の長さは調査結果で決まります。

着手承諾の後にもらった基礎図面の特記には、「地盤改良体がソイルセメントの場合、一軸圧縮試験により設計基準強度の確認を行う」と書かれていました。つくった柱の強さを試験で確かめることが、図面の特記で決められています。

地盤改良工事のほかの工法と費用の目安、現場の写真は、一条工務店の工事が始まった記事にまとめています。


契約前に見積で確認したいこと

ろれさんの地盤改良費の決まり方から、見積を見るときに確認しておきたいことは次の4つです。

見積の地盤改良費を見るときの4つの確認。その金額は地盤調査の前か後か、地盤調査はいつ受けるか、ベタ基礎の費用も別に載っているか、工事中に増える可能性の説明があるか。それぞれにろれさんの実例を記載
  1. その金額は、地盤調査の前か後か。ろれさんは調査前の808,900円で請負契約を結び、調査後に705,000円になりました
  2. 地盤調査はいつ受けるか。一条工務店の公式サイトでは、すべての建築現場で地盤調査を無償で行うと紹介されています。ろれさんは請負契約の後、2025年6月に報告書が出ました
  3. ベタ基礎の費用も別に載っているか。ろれさんの見積では標準仕様外工事の欄に442,400円があり、地盤改良と合わせて1,147,400円でした
  4. 工事中に増える可能性の説明があるか。ろれさんの最終承認書類には「地盤改良・基礎工事中に、地中障害物や既存擁壁異常、地盤状況を起因とした改良体の施工長増加等が生じることにより、別途費用が必要となる場合がございます」と書かれています
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【詳細】国の基準と、一条の判定

ここからは、地盤調査と基準の関係をもう少し詳しく知りたい方向けです。

スクリューウエイト貫入試験の方法は JIS A 1221 で決められています。国の告示(平成13年国土交通省告示第1113号)は、この試験の結果から地盤の許容応力度(地盤が安全に支えられる力)を求める式を定めています。長期の式は「qa = 30 + 0.6Nsw」(単位はkN/㎡)です。

一方で、ろれさんの地盤カルテには「弊社の定めた地盤調査結果に基づく『基礎選定基準』により選定した結果です」と書かれています。改良の要否や長さは、一条が自社の基準で判定しています。一条の公式サイトでは、地盤調査研究所で91万件の地盤のデータベースを構築していると紹介されています(2025年6月時点)。

カルテの結果には「今後の建築計画により、変更を伴う場合があります」という注意書きもありました。施工長3mはあくまで目安で、最終承認書類の説明どおり、工事中の状況で変わる可能性があります。


まとめ

見積の地盤改良費を見るときは、まず「調査の前か後か」を確認してみてください。ろれさんはまだ入居前(建築中)で、この記事は打ち合わせと見積の段階の話です。

一条工務店の紹介制度については、一条工務店の紹介制度の解説記事で詳しくまとめています。

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出典

  • ろれさんの資金計画書・見積書(2024年10月〜2026年4月)、最終承認書類(2026年4月)、地盤カルテ(地盤調査報告書のまとめ、2025年6月)、基礎図面の特記
  • 一条工務店 公式サイト「地盤調査」: https://www.ichijo.co.jp/technology/safety/ground/
  • 平成13年国土交通省告示第1113号「地盤の許容応力度及び基礎ぐいの許容支持力を求めるための地盤調査の方法並びにその結果に基づき地盤の許容応力度及び基礎ぐいの許容支持力を定める方法等を定める件」
  • 国土交通省「敷地調査共通仕様書」(スクリューウエイト貫入試験は JIS A 1221 による): https://www.mlit.go.jp/common/001469881.pdf
  • 日本建築学会「小規模建築物基礎設計指針(第2版)質問と回答」: https://news-sv.aij.or.jp/kouzou/s44/sozai/20260601_SmallQ&A.pdf