着手承諾の前に図面で見てほしい場所は、全部で15か所あります。電気・下地・給排気・ヘッダーボックスの4つに分けられます。着手承諾とは、最終の図面に判を押して工事に進む手続きのことです。

15か所のうち13か所は、建ってから直すと壁・床・天井を開ける工事になります。残りの2か所は、建ってからでも調整できます。判を押す前に、まず届いた図面を前回の図面と見比べるところから始めましょう。

着手承諾の前に図面で見る15か所の一覧。電気5か所、下地3か所、給排気4か所、ヘッダーボックス3か所。建ってから直すと壁・床・天井を開ける工事になる13か所に印、ろれさんが図面で決めた7か所に星、各項目に見る図面の種類を付けた表

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まず結論|15か所・印・見る図面

項目内容
見る場所電気5・下地3・給排気4・ヘッダーボックス3の計15か所
印あり(13か所)建ってから直すと壁・床・天井を開ける工事になる。承諾前に必ず見る
印なし(2か所)廊下の人感センサーの範囲、ヘッダーボックスの前のスペース

15か所を、見る図面の種類と一緒に表にしました。★は、ろれさんが実際に図面で決めた7か所です。

No.分類項目印見る図面★
1電気コンセントの高さ(H=)あり電気配線図★
2電気家具・家電とコンセントの位置あり電気配線図★
3電気スイッチがドアの裏に隠れないかあり平面図・電気配線図
4電気廊下の人感センサーの検知範囲なし電気配線図
5電気照明と設備の干渉あり天井伏せ図
6下地壁掛けテレビあり展開図★
7下地天井から吊るすカーテン・ロールスクリーンあり天井伏せ図★
8下地施主支給品(タオルハンガー・ペーパーホルダー)あり展開図
9給排気差圧感応式とレンジフードの距離あり電気配線図★
10給排気差圧感応式の高さあり電気配線図★
11給排気SAがベッド・机の真上にないかあり天井伏せ図
12給排気室外機・給湯器・換気グリルの位置あり立面図
13ヘッダーボックスヘッダーボックスの上の壁あり電気配線図★
14ヘッダーボックス床暖房のエリア分けあり設計士さんと確認
15ヘッダーボックスヘッダーボックスの前のスペースなし平面図

直す時期ごとの手間とお金(承諾前・承諾後・建ってから)

  • 着手承諾の前:打ち合わせの中で図面を直してもらえます
  • 着手承諾の後:ろれさんが聞いている範囲では、図面の変更料金がかかります
  • 建ってから:別の工事になるので、さらにお金がかかります
直す時期による違い。着手承諾の前は打ち合わせの中で直せる、着手承諾の後は図面の変更料金がかかる、建ってからは別の工事になる。例として下地補強は、設計のうちに入れたろれさんの3か所が合計約1万円、建ってから壁を開けて補強すると約5万〜30万円

差が分かりやすい例が下地補強です。ろれさんが設計のうちに入れた3か所(テレビ・玄関の洋服ラック・キッチンの天井)は、合計で約1万円でした。壁を開けて後から補強する場合は、約5万〜30万円かかります。承諾後の変更料金の金額までは聞いていないので、ここでは「かかる」ということまでにとどめます。


ろれさんが図面で決めた7か所(★)

詳しい見方は、後ろの分類別セクションで順に説明します。

No.決めたこと
1 コンセントの高さ床の近くのコンセントを、標準の30cmから全部20cmに変更
2 家具・家電とコンセントカップボード(約85cm)の上に棚を置いて電子レンジを載せるため、コンセントは約90cm。テレビ用は将来の模様替えに備えて2か所
6 壁掛けテレビテレビの壁に下地補強。テレビボードの寸法も設計士さんに伝えて高さを決めた
7 天井から吊るすロールスクリーンキッチンの自在棚の前にロールスクリーンを付ける計画で、天井にも補強
9 差圧感応式とレンジフードの距離設計士さんから最低1マス(約91cm)離してと言われ、通り道を短くしつつ1マス離した
10 差圧感応式の高さ床から2014mm(レンジフードはH=2280)。下の棚にコーヒーマシンや炊飯器を置く予定のため
13 ヘッダーボックスの上の壁上の壁にスイッチを付けられない決まりで、スイッチの置き場所に困った

下の図は、ろれさんの電気配線図の一部です。差圧感応式の横に「H=2014」、レンジフードに「H=2280」と書かれています。

ろれさんの電気配線図の一部。差圧感応式にH=2014、レンジフードにH=2280と書かれ、室内の空気が外に排出される向きと、ロスガードを通さない外気が入る向きを色線で書き込んである ろれさんに紹介をお願いする

15か所を見る前に|前回の図面と並べて比べる

一条工務店の図面は、フィリピンで清書されて戻ってきます。清書のときに行われる構造計算で、配管やダクトの位置が動くことがあります。それに合わせて、コンセントや照明の位置が変わることもあります。施主のあいだでは「サイレントフィリピン」と呼ばれています。

配管やダクトが動くこと自体は構造上どうしても必要な変更で、困るのはその変更が施主に伝わらないことです。

細かい線ばかりの図面を目で見比べるのは大変なので、ろれさんが図面比較ツールを作りました。

前回の図面と今回の図面を重ねて比べるイメージ。架空の間取りで、コンセントと照明の位置が動いた所を赤い点線の円で囲んである。比較ツールの特徴は、2枚を重ねると変わった所に色が付く、ブラウザの中だけで処理される、無料・登録不要
  • 前回と今回の図面を重ねると、変わった所に色が付きます
  • 図面はブラウザの中だけで処理され、外には送られません
  • 無料で、登録もいりません

ツールは https://tools.roresan.com/tools/pdf-compare から使えます。変わった所を見つけたら、着手承諾の前に営業担当へ確認します。着手承諾の後に届く図面も、届くたびに同じように比べます。

使い方の手順は図面比較ツールの記事に、図面が変わる理由はフィリピン工場の記事にまとめています。


電気の5か所(電気配線図・平面図・天井伏せ図)

電気の5か所。1コンセントの高さはH=300が標準でろれさんは床近くを全部H=200、2家具・家電とコンセントはカップボード約85cmに対してコンセント約90cmでテレビ用は2か所、3スイッチとドアは円弧とスイッチ記号を重ねる、4廊下の人感センサーは扇形に約3mで印なし、5照明と設備の干渉はダウンライトとエアコン、照らす壁と火災報知器

1. コンセントの高さ(H=)

電気配線図の「H=」の数字は、床からの高さをmmで表しています。H=300なら床から30cmです。

一条工務店の標準は30cmで、年を取っても抜き差ししやすい高さです。賃貸では20cmが一般的なので、30cmを高く感じる人もいます。ろれさんは、床の近くのコンセントを全部20cmにしました。

着手承諾の前なら、高さの変更は無料です。何も言わないと標準のまま建ちます。

2. 家具・家電とコンセントの位置

使う家具や家電の実寸を、電気配線図に書き込んで確かめます。置く家電を決めてから、コンセントの高さを決める順番です。ろれさんの場合の寸法は、先ほどの★の表にまとめたとおりです。

詳しくはコンセント計画の記事で解説しています。

3. スイッチがドアの裏に隠れないか

平面図のドアの円弧と、スイッチの記号の位置を重ねて見ます。円弧は、ドアが開く向きを表す線です。

部屋に入ってすぐ押せる位置にスイッチがあるか、ドアを開けた手と反対の手で押せるかを想像してみてください。

4. 廊下の人感センサーの範囲(印なし)

検知範囲は、センサーから扇形に約3mです。電気配線図で、センサーの記号から隣の部屋のドアまでを測ります。検知範囲が隣の部屋のドアまで届いていると、ドアが少し開いただけで廊下の照明がついてしまいます。

建ってからでも、センサーのカバーで範囲を変えられるので、ここは印なしです。

5. 照明と設備の干渉

天井伏せ図は、天井を下から見上げた図のことです。照明と設備がぶつかっていないかは、この図で確認します。

  • ダウンライトの真下にエアコンが来ると、エアコンばかり照らされます。エアコンは図面に実寸で描かれないこともあるので、書き込んで確かめます
  • 照明で照らす壁に火災報知器があると、そこが目立ちます。火災報知器を目立たない壁へ移してほしいと頼めます

下地の3か所(展開図・天井伏せ図)

下地補強とは、壁の石膏ボードだけでは重い物をビスで留められないので、壁の中に合板を入れておくことです。

下地の3か所。6壁掛けテレビはテレビと金具で10〜20kgで展開図、7天井吊りのカーテン・ロールスクリーンは天井の補強が必要で天井伏せ図、8施主支給品のタオルハンガー・ペーパーホルダーは伝えないと下地が入らないことがあり展開図。ろれさんの下地はテレビ・玄関の洋服ラック・キッチンの天井の3か所で合計約1万円

6. 壁掛けテレビ

展開図は、部屋の壁を1面ずつ正面から見た図です。テレビを付ける壁に、補強が入っているかを展開図で確認します。テレビと金具を合わせると10〜20kgになり、石膏ボードだけでは支えきれません。

7. 天井から吊るすカーテン・ロールスクリーン

窓枠の上に壁付けするなら、標準で下地が入っています。天井から吊るすタイプは、天井の補強が必要です。天井伏せ図で、吊るす位置に天井の補強が入っているかを見ます。

8. 施主支給品(タオルハンガー・ペーパーホルダー)

自分で用意して付ける物は、伝え忘れやすい項目です。施主支給のタオルハンガーを付ける壁は、伝えないと下地が入らないことがあります。ペーパーホルダーも、下地がないと抜けることがあります。展開図で、付ける場所に下地の指示が入っているかを確かめます。

下地補強の場所11か所は、下地補強の記事で詳しく解説しています。

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給排気の4か所(電気配線図・天井伏せ図・立面図)

換気扇を回すと、家の空気が外へ出ていきます。差圧感応式は、その分の外気を取り込む口です。ここから入る空気は、ロスガード(一条の換気システム)で浄化されません。排気ガスも花粉も、そのまま入ってきます。

9. 差圧感応式とレンジフードの距離

浄化されない空気が部屋に広がらないよう、通り道は短くします。差圧感応式から入った空気が、すぐにレンジフードから外へ出ていく並びです。

ただし、ぴったりくっつけるのは避けます。近すぎると、レンジフードが出した油っぽい空気を差圧感応式が吸い戻してしまうためです。ろれさんは設計士さんから、最低1マスは離してほしいと言われました。1マスは、図面のマス目1つ分で、約91cmです。電気配線図で、差圧感応式とレンジフードの間が1マス以上あるかを見ます。

ろれさんの図面に書き込んだ、レンジフードの排気を差圧感応式が吸い戻す距離の問題。差圧とレンジフード排気口の距離が近いと、排出した空気を差圧が再度室内に取り込み、汚い空気が無限ループする

10. 差圧感応式の高さ

差圧感応式の記号の横にある「H=」を見ます。ろれさんの高さ(2014mm)と理由は、先ほどの★の表のとおりです。

差圧感応式の口には、定期的に交換するフィルターが付いています。高い所だと交換が大変なので、交換の手間と家電を置く場所のどちらを取るかで決めます。

差圧感応式の仕組みは差圧感応式の記事にまとめています。

この記事の内容は動画でも解説しています(クリックで再生)

11. SAがベッド・机の真上にないか

SAは、換気の空気が出てくる口です。天井伏せ図で、ベッドや机の真上にSAがないかを見ます。冬は真下に冷たい風が落ちてくると言われています。SAの位置が、前回の図面から動いていないかも比べます。

詳しくはSA・RAの記事で解説しています。

12. 室外機・給湯器・換気グリルの位置

立面図は、家を外から真横に見た図のことです。室外機や給湯器、換気のグリルは、指定しないと付けやすい場所に付きます。道路側の正面に集まっていないかを立面図で見てください。見た目が気になるなら、側面にまとめたいと伝えます。


ヘッダーボックスの3か所(電気配線図・平面図)

ヘッダーボックスは、全館床暖房のお湯を各部屋に分ける装置です。建ってから場所を動かすのは大がかりな工事になります。

ヘッダーボックスの3か所を示した模式図。13上の壁の中はお湯の配管が通るのでスイッチも画鋲も付けられない、14床暖房のエリアは各階最大4つで将来の仕切り位置で分ける、15扉が手前に開くので前のスペースは最低45cm空ける(印なし)

13. ヘッダーボックスの上の壁

上の壁の中をお湯の配管が通るので、そこにスイッチは付けられません。電気配線図で、スイッチが押しにくい場所にずれていないかを見ます。

上の壁には、画鋲やピンも刺せません。カレンダーや絵を飾る予定の壁になっていないかも確かめます。

14. 床暖房のエリア分け

エリアは、各階を最大4つに分けて、温度を別々に決められる単位です。後から仕切って2部屋に分ける子ども部屋は、特に注意が必要です。

仕切りの壁を床にビスで留めたくても、配管があると打てません。将来の仕切りの位置を設計士さんに伝えて、エリアを2つに分けておきます。この項目は図面の記号ではなく、設計士さんと確認します。

詳しくは床暖房のエリア分けの記事で解説しています。

15. ヘッダーボックスの前のスペース(印なし)

ヘッダーボックスを収納の中に入れる場合は、扉が手前に開くため、手前を最低45cm空けます。平面図で確認します。手前をふさぐのが置いた物なら、どければ後からでも空けられるので、ここは印なしです。

ヘッダーボックスの全体像はヘッダーボックスの記事にまとめています。


まとめ|図面ごとに見る所

図面見る所
電気配線図コンセントの高さと位置、センサーの範囲、差圧感応式の距離と高さ、ヘッダーボックスの上の壁
天井伏せ図照明と設備の干渉、天井の補強、SAの位置
展開図壁掛けテレビと施主支給品の下地
立面図室外機・給湯器・換気グリル
平面図ドアとスイッチ、ヘッダーボックスの前

床暖房のエリア分けは、図面の記号ではなく設計士さんと確認します。

届いた図面はまず前回と比べ、そのうえで15か所を見ます。印のない2か所以外の13か所は、建ってから直すと壁・床・天井を開ける工事になるので、承諾の前に直しておきます。

窓・ハニカムシェードの記号、建具の幅、点検口、床の張り方向、設計GLは、図面チェック全般の記事で扱っています。着手承諾の期限については着手承諾の期限の記事をご覧ください。

図面を打ち合わせのたびに確認するコツは、以前の動画でも話しています。

この記事の内容は動画でも解説しています(クリックで再生)

ろれさんはまだ入居前(建築中)のため、この記事は暮らしてみた感想ではなく、打ち合わせと図面での判断をもとに書いています。

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