ろれさんの家は、途中で検討した切妻屋根の案では太陽光が11kWしか載りませんでした。それまでの片流れ屋根に戻して、上限の13.475kWを確保しています。

切妻屋根が悪いわけではありません。この家のサイズだと、切妻では11kWにとどまった、という話です。大きい家なら、切妻でも最大まで載ることがあります。

屋根の形を決める段階で、太陽光が何kW載るのかを確認しておくと、あとから「デザインで選んだら載らなかった」を防げます。ろれさんはまだ入居前(建築中)なので、実際の発電量ではなく、設計段階の判断としてお読みください。


まず結論|同じ家でも屋根の形で11kWと13.475kWに分かれた

屋根の形載った量判断
切妻11kWデザインのバランスは整ったが、上限まで約2.5kW届かない
片流れ(軒を深く)13.475kW(上限)搭載量を最大化できる点を決め手に採用
屋根の形で最大まで載るかが変わる。ろれさん家の切妻案は11kWで届かず、片流れに変更して13.475kWを確保。切妻が悪いわけではなく、大きい家なら切妻でも最大まで載ることもある

動画では、屋根設計の話をまとめています。

この記事の内容は動画でも解説しています(クリックで再生)


なぜ屋根の形で載る量が変わるのか

一条の太陽光は屋根一体型です。パネルを屋根材の上に後付けするのではなく、パネル自体が屋根面を作ります。だから屋根の形と大きさが、そのまま搭載できる量を決めます。

上限の目安は13.475kWです。ただし全棟がこの容量になるわけではありません。一条の公式サイトでは、平均搭載容量は12.02kW(2024年度実績)と公表されています。

屋根の形は、どれが良い悪いではなく、何を優先するかで選びます。

屋根の形で太陽光の載せ方が変わる。片流れは大きな屋根面を1面で作れて太陽光に向くが雨仕舞いに配慮が要る、切妻は屋根面が2面でバランスが良く接合部が少ない、寄棟は屋根面が4面で耐風性に優れるが搭載量は少なめ
屋根の形特徴
片流れ大きな屋根面を1面で作れる。太陽光に向く一方、雨仕舞い(雨漏り)への配慮が要る
切妻バランスが良く、接合部が少ない
寄棟耐風性に優れる。太陽光の搭載量は少なめ

屋根の形ごとの違いは屋根が8回変わった全記録にも書いています。


13.475kWまで載せたかった理由

住宅用として売電するには、パネルとパワコンの小さい方を10kW未満に抑える必要があります。パネルを13.475kW載せる家では、パワコンの側が10kW未満になります。パワコンの出力上限に当たるのは、晴れた真昼のピークだけです。

曇りの日や朝夕は、出力がぐっと落ちます。多めに載せておくと、そういう日でもパワコンの出力上限に近づきやすいので、発電量が落ちる日を底上げできます。11kWだと、悪天候の日にパワコンの出力上限まで届きにくくなります。ろれさんが片流れに戻した理由は、ここにあります。

多めに載せると曇り・朝夕を底上げできるイメージ図。パワコンの上限の線に対して、容量が多い方は真昼に上限で頭打ちになり、朝夕や曇りの時間帯でも容量が少ない方より出力が高い

図は考え方を示すイメージで、数値は入れていません。上限が13.475kWになる理由は、一条工務店の太陽光パネルは何kW載る?で解説しています。

ろれさんは、一条の太陽光は基本的に最大の13.475kWを目指して屋根を調整するのがいいと考えました。そのとき積載量だけでなく、軒の長さ(日射取得と日射遮蔽)も一緒に決めておくのがいい、という考えです。

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片流れで最大まで載せるときの費用|ダミーパネルと軒

ダミーパネルは、発電せずに屋根面を埋めるためのパネルです。一条の屋根はパネルで屋根面を作るので、本物のパネルで埋まらない部分をダミーで仕上げます。

軒を伸ばすと屋根の面積が増えます。増えた分もパネルかダミーで埋めるので、軒を伸ばすほどダミーが増える仕組みです。

ろれさんの家のダミーは、屋根上端の一部だけで、面積はかなり少なめです。

ろれさんの家の南立面図。屋根上端の黄色い線で囲った一部がダミーパネルで、屋根面の大半は発電する本物のパネル

契約時の見積りでは、次の2項目がかかっています。金額は契約時期や仕様で変わります。

項目金額
屋根特殊施工(ダミーパネル)25,800円
軒出変更(750mmまで・オリジナル太陽光限定)11,000円
合計36,800円
ろれさん家の見積書の一部。屋根特殊施工(ダミーパネル)の項目が25,800円とハイライトされている ろれさん家の見積書の一部。軒出変更(750mmまで、オリジナル太陽光限定)の項目が11,000円とハイライトされている

追加で3万円台の費用が出ますが、ろれさんは採用しました。夏の日射遮蔽と冬の日射取得は軒の長さで決まるので、ここは逃せないと判断したからです。


ダミーを増やさずに南の軒を伸ばす「軒ずらし」

ダミーを増やさずに南の軒を伸ばすには、屋根の芯をずらす「軒ずらし」を使います。

ろれさんの家は、北側の軒の下に窓がありません。北の軒を削っても困らないので、削った分を南に回して、南の軒を長くしました。屋根の芯をずらすこと自体に、追加費用はかかりません。

ろれさん家の立面図。北の軒を短く南側を長く屋根をずらしてもらったというメモと、壁芯からの軒の寸法、雨どい210mmが書き込まれている

日射を考えるときは、雨どいも忘れずに数えます。ろれさんの図面では、軒先から雨どいが210mm前に出ています。軒の705mmと合わせて、915mm分が日陰をつくる計算です。季節ごとの日射シミュレーションをするなら、軒を915mmとして計算すると、実際の日射遮蔽に近い結果になります。寸法はろれさんの図面のもので、家ごとに変わります。

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【詳細】屋根の形と一緒に決める2つ|傾斜と軒の長さ

傾斜は3.5寸にした

ろれさんは、屋根の傾斜を1.5寸から3.5寸に変えました。グランスマートでは無料のオプションでした。

1.5寸は約8.5度、3.5寸は約19.3度です。発電が一番いいのは30度前後とされているので、30度に近い3.5寸の方が発電は多くなります。ただし差は数パーセント程度で、屋根が南向きかどうかの影響の方が大きいです。

屋根の傾き(寸)と発電。1.5寸は約8.5度、3.5寸は約19.3度でろれさん採用、最適は約30度前後。差は数パーセントで、向き(南)の影響の方が大きい

角度は寸から換算した値です。最適な傾斜が30度前後ということと、差が数パーセントということは、一般に言われている水準です。一条が自社パネルについて公表した数値ではありません。自分の家の発電量は、勾配と向きを入れたシミュレーションを営業担当に出してもらうのが確実です。

軒の長さは日射遮蔽と日射取得のバランス

埼玉の夏至の南中高度は約77度、冬至は約31度です(緯度から算出)。高い夏の日差しは軒がさえぎり、低い冬の日差しは軒の下をくぐって奥まで届きます。軒が長すぎると冬の日射取得まで減ります。日々の正確な値は国立天文台の暦計算室で確認できます。

軒と日射の詳しい仕組みは、一条工務店の太陽光パネルは何kW載る?の「軒と日射のパッシブ設計」にまとめています。


まとめ|屋根の形を決める前に設計士に聞くこと

屋根の形を決める前に、設計士へ次の4つを確認しておくと安心です。

聞くことなぜ
この屋根の形で太陽光は何kW載るか形と大きさで載る量が変わる(ろれさんの家は11kWと13.475kW)
上限まで載せるには屋根をどう変えればいいか片流れにするなど、屋根の形を見直す
軒を伸ばすとダミーパネルはどれだけ増えるか軒の延長とダミーの分だけ費用がかかる(ろれさんの家は計36,800円)
窓のない面の軒を削って、屋根の芯をずらせるかダミーを増やさずに必要な面の軒を稼げる

最大まで載せたいなら、設計士と相談して屋根の形を詰めてください。

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出典