一条工務店の収納で最初に知っておきたいのは、設備の種類ではなく枠の違いです。

システムクローゼットは施工面積6坪(24マス)につき1個が標準で、上限があります。

一方で押入れには個数制限がなく、いくつ入れても追加費用がかかりません。

この違いを知っていると、クローゼットの枠を使い切った後も、押入れで収納を足す設計に切り替えられます。

この記事は一条工務店の収納の全体像をまとめたハブです。

玄関、キッチン、洗面など場所ごとの詳しい話は、それぞれの記事にまとめてあるのでリンクをたどってください。

なお私(ろれさん)は埼玉県で21坪の平屋を建築中で、まだ入居していません。

書けるのは図面と打ち合わせで決めたところまでで、実際に使ってみてどうだったかはまだ書けません。


結論 - 収納を増やすなら押入れから考える

一条工務店で収納を計画するときの結論を、先に表にまとめます。

論点答え
個数に上限がある収納システムクローゼット(施工面積6坪につき1個が標準)
個数に上限がない収納押入れ(個数制限なし)
収納を増やしたいときまず押入れで積む。枠を消費しないため
置けない場所耐力壁(埋込収納やニッチを設置できない)
費用の考え方押入れ自体は無料だが、収納も施工面積にカウントされる
収納率の目標値公的な基準は存在しない。特定の数値を目標にはしない
内寸の考え方図面の910mmではなく、壁を引いた有効幅で計算する

システムクローゼットの奥行きは45cm、60cm、90cmの3種類から選べます。

ここまでが一条工務店の収納を考えるうえでの土台になる部分です。

以降で、どんな収納があるのか、場所ごとにどう選ぶのかを順に見ていきます。


一条工務店で選べる収納の全体像

一条工務店の公式サイトには収納のページがあり、扱っている収納設備の名称と特徴が載っています。

公式ページに出てくる収納を場所別に整理すると、次のようになります。

場所公式ページに載っている収納
玄関シューズボックス、シューズクローク
居室システムクローゼット、ウォークインクローゼット
キッチンカップボード、パントリー(スライドタイプ、ウォークインタイプ)
洗面ドレッサーのカウンター下キャビネット、ミラー裏収納、トールキャビネット
リビングテレビボード、リビングクローゼット、ブックシェルフ

ここに載っていない収納もあります。

押入れと自在棚は公式の収納ページには出てきませんが、打ち合わせで選べる収納です。

とくに押入れは、この記事の主役といっていい存在です。

ひとつ注意したいのは、公式の収納ページには、どれが標準でどれがオプションかという区別が書かれていないことです。

同じ設備でも、建てるシリーズによって標準だったりオプションだったりします。

自分が建てるシリーズでどちらの扱いになるかは、打ち合わせで担当者に確認するのが確実です。

参考価格を先に把握しておきたい場合は、オプション価格一覧に主要な収納オプションの金額をまとめてあります。


システムクローゼットと押入れ - 枠の違いが設計を決める

一条工務店の収納設計で一番効いてくるのが、この2つの違いです。

なおこの枠のルールは、公式サイトに書かれているものではなく、打ち合わせのなかで設計上の決まりごととして示される内容です。

自分の場合にどう適用されるかは、担当者に確認してください。

比較項目システムクローゼット押入れ
個数施工面積6坪(24マス)につき1個が標準個数制限なし
追加費用標準の枠内なら追加なし標準で何個入れても追加なし
奥行き45cm、60cm、90cmから選択選んだタイプによる

施工面積6坪につき1個なので、家の大きさが決まれば枠の数もおおよそ決まります。

寝室、子ども部屋、リビングと配っていくと、意外に早く枠を使い切ります。

自分の家で何個になるかは、施工面積をもとに設計士に確認してください。

そこで枠を消費しない押入れを組み合わせると、収納の総量を落とさずに設計できます。

私の場合も、洗面台の横に押入れを入れることで、洗面台そのものを大きくしなくても収納量を確保する計画にしました。

この判断の詳細はグレイスドレッサーの記事に書いています。

耐力壁には埋込収納を置けない

収納を壁の中に埋め込む形にしたい場合、置ける壁と置けない壁があります。

一条工務店では、耐力壁に埋込収納やニッチを設置できません。

耐力壁は建物を支えて地震の力を受け止める壁なので、そこに穴を開けることができないためです。

どの壁が耐力壁かは図面で決まるので、埋込収納を希望するなら早い段階で設計士に相談する必要があります。

一条工務店のこうした設計上の決まりごとは数が多く、一条ルールの記事に全体をまとめてあります。

収納の扉の色は家全体で1色

一条工務店では、ドアや収納の扉の色を1棟まるごと1色で統一する決まりがあります。

部屋ごとに扉の色を変えることはできません。

収納を各所に分散して配置する場合、その扉がすべて同じ色で現れることになるので、色を決めるときは家全体を見て判断する必要があります。

収納も施工面積にカウントされる

一条工務店の見積もりは施工面積に坪単価を掛ける形で決まります。

居室、収納、階段はいずれも施工面積に全額でカウントされます。

収納を増やせばその分だけ施工面積が増えて金額に反映されるため、押入れ自体が無料でも、置く面積のぶんは費用がかかるという理解が正確です。

限られた面積のなかで収納をどう配るか、という問題になります。


収納率という指標をどう扱うか

収納を調べていると「収納率」という言葉に出会います。

先に結論を書くと、収納率に公的な基準はありません。

住宅性能表示制度は断熱性や耐震性などを評価する仕組みですが、収納量や収納率は評価項目に含まれていません。

国が定める居住面積水準も、世帯人数に応じた住戸面積(平方メートル)を示すもので、収納が床面積の何割を占めるべきかという指標にはなっていません。

そして一条工務店の公式サイトの収納ページにも、収納率や延床面積比の目安は書かれていません。

目安の数値が情報源ごとに食い違う

不動産情報サイトの用語集では、収納率は収納面積を床面積で割った値と定義されています。

この定義自体は複数のサイトで一致しています。

ただし一戸建ての目安として示される数値は、情報源によって食い違います。

不動産情報サイトが13%程度とする一方、住宅会社のコラムでは10〜15%、理想は15〜20%といった書き方も見られます。

いずれも公式発表ではなく、根拠となる統計も示されていません。

数値が食い違う以上、この記事では特定の数値を目標値としては扱いません。

収納率は「自分の家の収納量を数字で把握するための計算方法」として使い、他人の家と比べる基準としては使わない、という距離の取り方が現実的です。

数字で把握するなら有効幅で計算する

収納量を図面段階で数字にしたいなら、面積の比率よりも内寸のほうが役に立ちます。

一条工務店の図面は1マス910mmで描かれますが、両側を壁で挟まれた収納の内寸は、壁の厚みを引いた有効幅になります。

1マスあたり796mmで計算するので、2マスのクローゼットなら1,706mm、3マスなら2,616mmです。

ここに衣装ケースの幅を当てはめれば、何個並ぶかが図面の段階でわかります。

ハンガーパイプに何着かけられるかも同じ考え方で出せます。

有効幅の詳しい計算方法はマス目と有効幅の記事にまとめています。


場所別の考え方

ここからは場所ごとに、決めるポイントと詳細記事へのリンクを整理します。

玄関

玄関収納で決めるのは、シューズボックスの幅と形状、地板の有無、シューズクロークを作るかどうかです。

一条工務店のシューズボックスはグレイス、ラシック、シューズウォールの3種類があり、選べる種類は建てるシリーズによって変わります。

グレイスシューズボックスは幅と扉の枚数で全20種類あり、形状はI字型、L字型、コの字型から選べます。

寸法の一覧と、地板の有無をどう選ぶか、回転収納タイプの注意点はシューズボックスの記事にまとめました。

キッチン

キッチンの収納は、カップボードとパントリー、そしてキッチン本体の引き出しで構成されます。

カップボードは人気のオプションで、紹介制度を使うと無料にできます。

パントリーは、公式ページではスライドタイプとウォークインタイプが紹介されています。

決めることが多いのは、幅と奥行き、扉の有無、そして中で使う家電のためのコンセント計画です。

私のキッチンまわりの判断はキッチン設計の記事にまとめてあります。

カップボードの上に天井までの隙間ができる場合、その隙間を開けたままにするか壁で埋めるかも選べます。

この選択は隙間の記事で扱っています。

キッチン本体側の収納も選択肢が増えています。

2026年9月1日に、グレイスキッチンに前面すべてが収納になるオール収納タイプが追加されました。

詳しくはグレイスキッチンの新色とオール収納タイプにまとめています。

洗面

洗面台の収納は、カウンター下のキャビネットとミラー裏収納が基本になります。

上部には、手前に降りてくるダウンウォールという機能の付いた収納を選べる場合があります。

グランスマートやグランセゾンではグレイスドレッサーが標準になり、幅と高さの組み合わせで全12タイプから選べます。

サイズ選びで悩みやすいのは、追加費用なしで選べるなら最大サイズにすべきかという点です。

私はここで最大サイズを選ばない判断をしました。

その理由はグレイスドレッサーの記事に書いています。

リビング

リビングの収納は、テレビボードとリビングクローゼットが中心になります。

テレビまわりは収納そのものより配線と下地の計画が重要で、テレビボードの記事にまとめました。

壁に棚や物を掛けたい場所には、壁の中に合板を入れる下地補強が必要です。

これは収納を後から足すための備えとして効いてくるので、下地補強の記事も合わせて確認してください。

どこにでも足せる自在棚

自在棚は、壁に付けたレールに棚板を差し込んで高さを変えられる可動棚です。

パントリー、玄関収納、洗面所など、場所を選ばず使えます。

棚板の幅は1マス、1.5マス、2マスから選べ、幅が広いほど耐荷重は下がります。

1マス幅の棚板は最大20kg、1.5マス幅と2マス幅は最大10kgなので、電子レンジのような重い家電を載せる場所は1マス幅を選ぶことになります。

この棚板の実寸は1マス幅で780mmです。

先に出てきた有効幅796mmとは別の数字です。

棚板は製品そのものの寸法、有効幅は壁と壁の間の内寸を指します。

棚柱の下端の高さを図面で指定しないと想定より低い位置から始まってしまう、といった設計上の注意点は自在棚の記事にまとめています。


ろれさんが採用した収納と判断理由

21坪の平屋という条件のなかで、私が実際に決めた収納は次のとおりです。

いずれも設計段階での判断であり、使ってみた感想ではありません。

場所採用したもの判断の理由
玄関グレイスシューズボックス コの字型 幅1,800mm(4枚扉)2マスの玄関の形に合わせた。靴以外は押入れに振り分ける前提
玄関シューズクロークは不採用入り口を2つ作ると通路の面積が増え、収納量が減るため
玄関回転収納タイプは不採用収納力より、可動部品のない構造を優先した
洗面ドレッサーは最大サイズにせず、空けた1マスに押入れ大きいサイズの両端収納は手が届きにくい。押入れなら枠を消費しない
洗面横押入れB 幅900mm 奥行60cm 折戸洗面台と面が揃う。折戸なら開けても通路への飛び出しが少ない
キッチングレイスカップボード(奥行60cm、高さ850mm)工場見学の特典で無料にできた。今この方法は使えず、無料にするなら紹介制度になります
キッチンパントリー 扉なし 幅900mm 奥行60cm扉の開け閉めをなくす。中にコンセントを2箇所計画
キッチン自在棚(高さ850mmで統一)棚の高さを後から変えられる。下半分をゴミ箱置き場にするため棚柱を床から650mmで指定
玄関ホール壁の下地補強(幅91cm、高さ120〜210cm)洋服ラックを掛けられるようにするため

収納を1箇所に集めなかった理由

21坪という面積では、大きなウォークインクローゼットを1箇所作ると、そこへの通路が面積を食います。

そのぶん各部屋の収納が減ることになります。

そこで私は、使う場所の近くに小さめの収納を分散させる方針にしました。

玄関で使うものは玄関に、洗面で使うものは洗面に置ける形です。

ただしこれは21坪の平屋という条件での判断です。

面積に余裕があるなら、衣類をまとめられるウォークインクローゼットのほうが管理しやすいという考え方も十分に成り立ちます。

どちらが合うかは、今住んでいる家で何がどこに散らかるかを見てから決めるのがおすすめです。

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採用しなかったものについて

シューズクロークと回転収納タイプは、私は採用しませんでした。

ただしこれは、私の家の面積と優先順位のなかでの判断です。

シューズクロークは、2畳以上を確保できて、雨具やベビーカーの置き場が必要なら有力な選択肢になります。

回転収納タイプも、収納したい靴のサイズが奥行に収まるなら、同じ面積で収納量を増やせる方法です。

作るなら換気扇とコンセント、汚れにくい壁紙まで合わせて計画しておくと、後から困りにくくなります。

シューズクロークに必要な広さや、回転収納タイプの奥行の制約はシューズボックスの記事に詳しく書いています。


打ち合わせ前に決めておくこと

収納の打ち合わせに入る前に、手元で決めておけることがあります。

決めておくこと決め方
何をどこにしまうか今の家で散らかる場所と、そこに置きたいものを書き出す
システムクローゼットの配分施工面積から枠の数を計算し、どの部屋に配るか決める
押入れを足す場所枠で足りない場所に押入れを置く
収納の内寸衣装ケースの幅を測り、有効幅で何個並ぶか計算する
埋込収納の希望耐力壁を避けられるか、早い段階で設計士に相談する
下地補強の場所将来、棚やラックを掛けたい壁を挙げておく

打ち合わせの回数に制限はありませんが、この整理を先にしておくと、その場で決める時間を収納そのものの検討に使えます。

準備の進め方は打ち合わせ準備の記事にまとめています。


まとめ

一条工務店の収納は、設備の種類より先に枠の違いを押さえると計画が立てやすくなります。

  • システムクローゼットは施工面積6坪につき1個が標準。奥行きは45cm、60cm、90cmから選ぶ
  • 押入れは個数制限なし。収納を増やしたいときの軸になる
  • 耐力壁には埋込収納やニッチを設置できない
  • 収納率に公的な基準はない。目安の数値は情報源ごとに食い違うため、目標値としては扱わない
  • 収納量を数字で把握するなら、図面の910mmではなく有効幅で計算する
  • 場所ごとの詳細は個別記事にまとめてある

私自身はまだ入居していないので、この記事に書いたのは図面と打ち合わせで決めたところまでです。

実際に住んでからでないとわからないことは、入居後にあらためて書きます。


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